もう迷わない!楽譜をスラスラ読めるようになる練習法

ピアノを始めたばかりの子どもや初心者にとって、一番の壁になるのが「楽譜を読むこと」です。音符を一つひとつ数えながらでは、演奏が止まってしまったり、弾くのが嫌になってしまうこともあります。でも、楽譜を読む力は「センス」ではなく「練習と工夫」でしっかり身につけられるものです。この記事では、楽譜を早く、そして楽しく読めるようになるための4つの方法をご紹介します。

効果的な練習方法は知りたいわ!
音符をパターンで覚える
楽譜を読むときに一つひとつの音符を数えていると、どうしてもスピードが遅くなり、曲の流れが止まってしまいます。実は、上手に楽譜を読む人は音符を「点」で覚えるのではなく「パターン」でとらえています。文字を読むときに一字ずつではなく「単語」として認識するのと同じように、音楽も「かたまり」で理解することで一気にスムーズになります。
音の動きを「階段」として覚える
音符は一つずつではなく「上がる」「下がる」「同じ高さが続く」という動きの流れに注目しましょう。例えば「ド→レ→ミ→ファ」は一音ずつ上がる階段、「ソ→ファ→ミ→レ」は下がる階段です。音の並びを「上がる」「下がる」として覚えると、読む速さが格段に上がります。
和音や跳躍を「形」としてとらえる
2つ以上の音が同時に出てきたときは、一音ずつ読むのではなく「ドミソの三和音」「ドファラの形」とパターンで覚えることが大切です。和音は何度も出てくる基本形が多いため、形ごとに慣れてしまえば読む時間を短縮できます。また、跳躍も「5度上がる」「オクターブ下がる」と距離で把握することで、いちいち数えずにスムーズに読めます。
よく出るフレーズをストック化する
楽譜にはよく出てくる「お決まりのフレーズ」があります。例えば「ドレミファソ」の上昇形や「ソファミレド」の下降形、スケール、分散和音などです。こうしたフレーズを「一つのかたまり」として認識する習慣をつければ、楽譜を読むスピードは飛躍的に速くなります。
視覚で「形」を覚える練習を取り入れる
音符を一つひとつではなく「かたまり」として覚えるには、視覚のトレーニングも効果的です。フラッシュカードで音の並びを見せて一瞬で判断させたり、簡単な楽譜を「全体の形」で読む練習をしたりすると、脳が自然にパターンを認識するようになります。


音符を早く読むためには、一つひとつの音を数えるのではなく「パターンで覚える」ことがポイントです。音の動きを階段としてとらえる、和音や跳躍を形で認識する、よく出るフレーズをストック化する、視覚的に形を捉える練習をする――この4つを積み重ねることで、楽譜は格段に読みやすくなります。文字を読むのと同じように「まとまり」で理解できるようになれば、演奏も止まらず流れるように進み、音楽を楽しむ余裕が生まれるでしょう。
毎日の「音読みゲーム」で習慣づけ
楽譜を早く読めるようになるためには、繰り返しの練習が欠かせません。しかし、単調な音符読みを毎日続けるのは、特に子どもにとっては退屈に感じやすいもの。そこで効果的なのが「ゲーム感覚で取り組むこと」です。音符を遊びの一部にすれば、無理なく毎日続けられ、自然に読譜力が定着していきます。
カードを使った音あてゲーム
音符カードを使い、引いたカードの音をピアノで弾いたり、声に出して読んだりする遊びは定番の方法です。「何秒で読めるかな?」とタイムアタック形式にすると、子どもは夢中になって取り組みます。毎日少しずつやることで、音符と鍵盤がすぐにつながるようになります。
アプリやデジタル教材を活用する
最近は、音符を表示してタッチしたり、読み方をクイズ形式で練習できるアプリも数多くあります。子どもはゲーム感覚で楽しみながら練習できるため、「遊びのついでに音読みが速くなる」という効果が期待できます。特に移動中や隙間時間でもできるので、習慣づけには最適です。


親子で「対戦」や「協力プレイ」にする
子ども一人で練習させると続かないこともありますが、親や兄弟と一緒に「どっちが早く読めるか勝負しよう!」と対戦形式にすると大盛り上がり。逆に「協力して30枚のカードを全部読もう」とチーム戦にすると、達成感を共有できます。家族で楽しめる仕掛けにすることで、自然に習慣化されます。
短時間でも「毎日続ける」ことを意識する
音読みゲームは1日5分でも効果があります。大切なのは「短くても毎日やること」。歯磨きのように日常の一部に組み込むと、「音符を読むのが当たり前」になります。習慣化されると、いざ楽譜を読むときに苦労せずスラスラと音が頭に浮かんでくるようになります。
音読みは、退屈な練習ではなく「ゲーム」に変えることで一気に楽しくなります。カードやアプリを使い、親子で楽しみながら、短時間でも毎日続けることがコツです。遊びの延長で「音符を読むのが得意!」という感覚を持てるようになれば、楽譜を読むスピードは自然に上がり、ピアノ演奏そのものがもっと楽しくなります。
よく出てくる音域を優先して覚える
楽譜を読むのが遅くなる原因の一つは、「どこから数えるか」で迷ってしまうことです。すべての音を一音ずつ覚えようとすると大変ですが、実際に多くの曲で使われるのは特定の音域が中心です。だからこそ、まずはよく出てくる音域を優先的に覚えてしまうのが効率的です。「ここさえ押さえれば大丈夫」という基準を持つことで、楽譜を読むスピードは一気に上がります。
基準になる「真ん中のド」をしっかり覚える
まず最初に押さえておきたいのが、五線譜の中心に位置する「真ん中のド(中央ド)」です。ほとんどの曲はここを基準にして音域が展開されるため、位置を確実に覚えるだけで、上下の音符も読みやすくなります。
近くの主要な音をグループで覚える
「真ん中のド」を覚えたら、その周囲にある「レ・ミ・ファ・ソ」までをまとめて覚えてしまいましょう。特に真ん中のソとファは登場頻度が高く、曲のメロディーでよく使われる音です。ドから数えるのではなく「形で覚える」ことで、すぐに反応できるようになります。
曲で頻出する音域を優先的に練習する
ピアノ曲の多くは、右手は高めの音域(ト音記号)、左手は低めの音域(ヘ音記号)が中心です。そのため、右手では「ソ〜高いド」、左手では「ド〜低いファ」あたりの音を優先的に覚えると、実際に曲を弾くときに迷う時間が減ります。
慣れた音域から少しずつ広げる
最初から高音や低音の音符まで全部覚えようとすると混乱しやすいので、まずは「よく出る音域」に絞り、そこを確実に覚えた上で、少しずつ外側に広げていくのが効率的です。これなら無理なく覚えられ、気づけば楽譜全体をスラスラ読めるようになります。


楽譜を早く読むためには、すべての音を一度に覚える必要はありません。真ん中のドを基準に、その周囲の音や曲でよく出てくる音域を優先的に身につければ、実際に演奏で役立つ読譜力がスピーディーに育ちます。慣れた音域から少しずつ広げていけば、気づけば楽譜全体が自然に読めるようになり、演奏がぐんとスムーズになるのです。
実際に弾きながら目で追う練習をする
楽譜を読む力は、紙の上で音符を確認するだけではなかなか定着しません。実際にピアノを弾きながら「手は動かす、目は譜面を追う」という複合的な練習を重ねることで、はじめて本当の意味での読譜力が身についていきます。目と耳、そして指の動きを連動させることができれば、楽譜を読むスピードも自然と速くなり、止まらずに演奏できるようになります。
「目は楽譜、耳と手は演奏」に慣れる
初心者のうちは、つい鍵盤ばかりを見てしまいがちです。しかし楽譜から目を離さずに弾く習慣を持つことで、音符を先読みしながら演奏できるようになります。少しずつでも「目は譜面を見る」と意識することが、スムーズな読譜への第一歩です。
短いフレーズで反復練習する
いきなり長い曲を弾きながら読むのは難しいので、4小節など短い単位で区切り、「譜面を見ながら指を動かす」練習を繰り返しましょう。何度も繰り返すことで、楽譜を追うスピードと指の動きがリンクしやすくなります。


先の音符を「先読み」する癖をつける
楽譜を読んで弾くときは、今弾いている音ではなく「次に弾く音」を先取りして目で追うことが大切です。最初は難しく感じますが、「先を見る」意識を持つことで演奏が止まりにくくなり、テンポに合わせて自然に弾けるようになります。
繰り返しの中で「読む力と弾く力」をつなげる
譜読みだけでなく、実際に弾きながら読む練習を継続することで、頭の中で「見る → 読む → 指を動かす → 音にする」という流れがスムーズに整います。単なる読譜練習や指の練習では得られない「実践的な力」がここで育ちます。
楽譜を早く読む力は、机上の学習だけではなく「実際に弾きながら目で追う練習」を通して磨かれます。楽譜を見続ける意識、短いフレーズでの反復、先読みの習慣、そして繰り返しによる定着――これらを意識して取り組めば、演奏と読譜が自然に結びつき、止まらずスムーズに弾けるようになります。ピアノを弾きながら楽譜を追えるようになることこそ、本当の意味で「楽譜が読める」状態なのです。
まとめ
楽譜を読むのが苦手だと、ピアノの練習が止まってしまったり、せっかくの音楽が楽しめなくなったりします。しかし、楽譜を読む力は生まれつきの才能ではなく、ちょっとした工夫や習慣で誰でも身につけられる力です。
パターン認識で効率的に読む
一音ずつ数えるのではなく、音の上がり下がりや和音の形などを「かたまり」として覚えることで、読譜のスピードがぐっと速くなります。
遊び感覚で「音読み」を習慣化する
カードやアプリを使ったゲーム形式の練習で、音符に触れるのを日課にすると、自然に読むスピードと正確さが定着します。
よく出る音域と実践練習で強化する
真ん中のドを基準に頻出音域から覚え、実際に弾きながら楽譜を追う練習を続けることで、「読む力」と「弾く力」がつながっていきます。


楽譜を早く読めるようになるために大切なのは、「楽しみながら続ける工夫」と「実際に弾いて体に落とし込むこと」です。パターンで覚え、遊び感覚で習慣化し、基準音域から広げて実際の演奏につなげる――この流れを意識すれば、楽譜はどんどん身近なものになります。読譜力が身につけば練習の効率も上がり、ピアノをもっと自由に、もっと楽しく弾けるようになるでしょう。