リトミックの目的とは?リトミックが伝えたい本当のこと

リトミックの目的とは?リトミックが伝えたい本当のことを解説した画像

子どものさまざまな発達に効果のあるというリトミックですが、どのような目的があるのかよくわからない方も多いと思います。実はリトミックは伝えたいたくさんのことがあります。リトミックレッスンを受ける時のポイントとして、またリトミックを知るきっかけとしてぜひ参考にしてください。

平田先生

リトミックの素晴らしさを伝えたいです!

タップできる目次

リトミックの課題とねらい

ビート感

音楽にはビートがあります。これは人間の心臓の鼓動と同じです。絶え間なく続くビート感を味わいながら、音楽を感じることが大切です。ねらいは、さまざまな音楽のビートを感じることにより正確なタイミングでの演奏などができることです。

音の高低

音には「高い音」「低い音」があります。いわゆる周波数の高さです。リトミックでは高音は高い位置での活動、低音は低い位置での活動をするなど、体を中心として活動します。これは子供にとってとても分かりやすい表現法でもあります。ねらいは、高音、低音の持つ特有のパワーを感じる事です。後に、鍵盤演奏に移行した時、高音、低音が右左になった時、高低としてすぐ受け入れられると言うメリットがあります。これはリトミックを経験していないお子さんの場合、受け入れるまでに時間がかかります。

長調、短調の聴き分け

簡単に長調とは「明るい感じ」短調とは「暗い感じ」をいいます。音階の持つそのニュアンスを感じ、自分の経験と重ね合わせ表現することで、音の気持ちがわかります。ねらいは、音の狭まり、広がりを感じる事で音階が体で理解できます。後の音楽活動のソルフェ―ジュに役立ちます。

ニュアンス、ダイナミクスの表現

音の特徴、音域、広がり、狭まりを何度も体で表現します。表現の中で子供たちはどんなものにも、なりきって表現しようとするようになります。ねらいは、些細な音の変化にも気づき、細く音楽を分析できるようになります。そして、感情のこもった音楽表現ができるようになります。

Screenshot

拍子感

ビートを感じられるようになったら拍子を捉えます。これは楽曲を知る上でとても重要な事です。ねらいは、拍子のまとまりを感じられること、すると演奏や楽曲理解が深まります。

リトミックの課題はまだまだあります。そこには必ずねらいがあり、それは音楽を深く知るためにどれも有効なものばかりです。

リトミックをすることで「何」を感じてほしいか

リトミックを通して子供たちや参加者に感じてほしいことは、音楽やリズムを身体全体で楽しむことや、感覚的な学びの大切さです。リトミックは、音楽教育の一環として音楽の基本要素(リズム、メロディ、ハーモニー)を体験し、表現力や創造力、協調性を育む活動です。以下に、リトミックを通して感じてほしいことをいくつか挙げます。

音楽を体全体で感じる喜び

リトミックは、音楽を「聴くだけ」ではなく、身体を動かしながら「感じる」体験です。音楽のリズムやメロディに合わせて体を動かすことで、音楽が身体にどのような影響を与えるかを感じ取り、自然に音楽と一体化する感覚を味わってほしいです。音楽に合わせて動くことが、音楽の楽しさや感動をより直感的に感じさせます。リズムを刻んだり、動きで音楽を表現することで、音楽に対する理解が深まります。

自己表現と創造性

リトミックでは、決まった動きや振り付けではなく、自由に音楽に反応することが重要です。これは、自己表現や創造性を育む場であり、音楽に対して自分の感じたままに体を動かすことで、自分らしさを発揮する喜びを感じてほしいです。形式に縛られず、音楽に応じて自分の体で感じたままを表現できることは、自己肯定感を高めます。音楽に合わせて自分の動きを創造することで、表現力が養われます。

音楽の基本要素を体験する感覚

リトミックは、音楽の基本的な要素であるリズム、メロディ、テンポなどを身体で体験する学びの場です。特にリズム感やタイミングの感覚は、楽器を演奏する際や音楽を理解する際に不可欠なものです。これらを体験的に学ぶことで、自然に音楽の構造を理解できるようになります。音楽のリズムを体感することで、将来的に楽器を習うときや歌を歌うときにリズム感を活かせます。動きの速さや強弱を体で表現することで、音楽のテンポや強弱の違いを身体感覚として学び取ることができます。

集中力と協調性

リトミックは、個人で音楽を感じるだけでなく、グループで行うことが多いため、他者との協調やコミュニケーションも重要です。音楽に合わせて動く際、他の人とタイミングを合わせたり、共通のリズムで動くことで、協調性や集中力が育まれます。また、音楽の変化に素早く反応することが求められるため、感覚の鋭敏さも養われます。他者と一緒に音楽に合わせて動くことで、チームワークやコミュニケーション能力が向上します。音楽の変化に合わせて瞬時に反応する必要があるため、集中力が高まります。

音楽の楽しさを純粋に感じる

最も大切なのは、音楽の楽しさや喜びを純粋に感じることです。リトミックは、音楽を理論的に学ぶ場ではなく、直感的に音楽とふれあい、楽しむことが目的です。この楽しさを通じて、音楽に対するポジティブな感情を育んでほしいと願います。音楽を「学ぶ」だけでなく、「楽しむ」ことを通じて、音楽への愛情や興味を育てます。

リトミックを通して、参加者には「音楽を全身で感じ、表現する喜び」や「音楽を通じて心と体が調和する体験」をしてもらいたいです。音楽に対する自由な表現やリズム感を楽しみながら、感覚的な学びや協調性、集中力を育んでいくことが、リトミックの重要な目的です。そして何よりも、音楽そのものの楽しさを体験し、音楽に対する愛情や関心を深めていってほしいです。

リトミックは効果はあるのか

リトミックには、多くの効果があるとされています。音楽を身体全体で体験し、感覚的に音楽を学ぶことで、幼児から大人まで多くのスキルや感性を養うことができます。特に幼児教育や音楽教育の現場で、その効果が認められています。以下に、リトミックの具体的な効果を挙げます。

リズム感と音楽性の向上

リトミックは、音楽のリズムやメロディに合わせて身体を動かすことで、自然にリズム感を身につけることができます。特に幼少期に行うリトミックは、音楽の基礎であるリズムやテンポ、強弱を体感的に理解できるため、音楽的な感性が向上します。音楽に合わせた動きや反応を通して、自然にリズム感を養うことができます。これは、後に楽器演奏や歌唱において重要な要素となります。音楽に対する感覚が鋭くなり、音の強弱やテンポの変化に対してより敏感に反応できるようになります。

身体的・運動能力の向上

リトミックでは、全身を使って音楽に反応するため、運動能力や身体のバランス感覚、協調性が向上します。音楽に合わせて体を動かすことは、筋肉の発達や柔軟性を促進し、幼児の身体的発達にも効果的です。音楽に合わせた多様な動きを通じて、体のコントロールや筋力が自然に発達します。特にジャンプ、スキップ、回転などの運動は、バランス感覚や身体の柔軟性を高めます。リトミックでは手足や全身を使って音楽に合わせるため、身体の協調性が向上します。手と足を別々に動かすなど、複雑な動作も練習できるため、運動能力が全体的に強化されます。

集中力と注意力の向上

リトミックでは、音楽の変化に即座に反応する必要があるため、集中力や注意力が向上します。テンポやリズムの変化、音の強弱に合わせて動きを変えることで、耳と身体を同時に使って集中する能力が養われます。音楽に集中し、それに応じて適切な動きをするため、注意力や集中力が自然に高まります。特にテンポやリズムの変化に素早く対応することが求められるため、敏捷性も鍛えられます。音楽を聴く力(リスニング)も向上し、音の変化やリズムに対して鋭く反応できるようになります。

表現力の成長

リトミックでは、音楽に対する自由な身体の動きが奨励されるため、創造力や表現力が伸びます。特に決まった動きがない場合、自分なりの解釈で音楽に合わせて動くことで、自己表現の楽しさや創造力が育まれます。音楽に対して自分の動きや感覚を自由に表現できるため、表現力が豊かになります。また、自己肯定感や自信を持つことにも繋がります。自由な発想で音楽に応じた動きを考えることで、創造的思考が促進されます。これにより、柔軟な考え方や独自のアイデアを生み出す力が育まれます。

楽しい音楽体験を通じた音楽への興味

リトミックは、音楽を「楽しむ」ことを重視しているため、音楽に対する自然な興味や愛情を育てます。遊びのような感覚で音楽に触れることで、音楽が日常生活の中で身近なものとなり、将来的に楽器の習得や音楽学習の意欲につながります。楽しく学べる環境の中で、音楽が自然に身につくため、子供たちは音楽を好きになりやすくなります。

音楽を感じながら体を動かすことで、自然に音楽の基礎が身につき、将来的な音楽学習の基盤となります。

リトミックには、音楽的な感性やリズム感の向上、運動能力や集中力の強化、創造力や表現力の開発、社会性の向上など、さまざまな効果があります。特に幼少期にリトミックを取り入れることで、音楽を通じた学びや感覚の発達を自然に促すことができ、子供たちの成長に大きな影響を与えます。また、楽しく音楽に触れる機会を通じて、音楽への興味や愛情を育むことができるため、将来的な音楽学習にも良い影響を与えるでしょう。

体験することの重要性

幼児期にリトミックを体験することは、子供の成長と発達において非常に重要です。この時期は、脳や体が急速に発達する時期であり、さまざまな体験を通じて、知識やスキル、感情の基礎が築かれます。幼児期の体験は、人格形成や将来の学びにも大きな影響を与えるため、豊かな体験が子供の成長にとって不可欠です。幼児期に体験することの重要性を詳しく説明します。

脳の発達に影響を与える

幼児期は、脳の神経回路が急速に形成される時期です。脳の発達は外部からの刺激に大きく依存しており、さまざまな体験を通じて神経回路が強化されます。特に、感覚的な体験や身体を使った体験は、脳の発達において重要な役割を果たします。幼児期には、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚といった五感を通じた刺激が、脳の発達を促進します。新しい体験や環境の変化は、神経ネットワークの形成を助け、認知能力を高めます。幼児期に繰り返される豊かな体験が、神経回路の効率的な発達を促進し、将来的な学習能力や問題解決能力を向上させます。

基本的な運動能力の発達

幼児期の体験は、運動能力の発達にも大きく寄与します。この時期にさまざまな身体活動や運動を体験することで、筋力やバランス、身体の協調性が向上し、身体全体の発達をサポートします。幼児期に行われる遊びや身体活動は、基本的な運動スキル(歩く、走る、跳ぶ、掴むなど)の発達に必要です。これらのスキルは、後のスポーツ活動や日常生活の動作に繋がります。身体を動かすことで、脳と身体の協調が強化され、反応速度やバランス感覚が向上します。音楽やリズムに合わせて動くリトミックは、この連携を特に強化します。

創造力と好奇心の発達

幼児期は、想像力と好奇心が旺盛な時期です。この時期にさまざまな遊びや活動を通じて創造的な体験をすることで、柔軟な思考力や問題解決能力が育まれます。特に、自由な遊びや創作活動(お絵かき、ブロック遊び、リトミックなど)は、子供たちの創造力を大いに刺激します。自由な遊びの中で、自分でルールを作ったり、新しい物語を考えたりすることで、創造力が伸びます。遊びを通じて、現実と想像の世界を行き来する力が発達します。新しいことを体験し、未知の世界に触れることで、自然と好奇心が育ちます。この好奇心が、将来的な学びへの意欲や探求心を支える基盤となります。

感情の調整と発達

幼児期の体験は、感情の発達や調整にも大きく関わります。他者との関わりや新しい状況に直面することで、さまざまな感情を経験し、それを適切に表現したりコントロールする方法を学びます。感情の調整力は、ストレスへの対処や対人関係において重要なスキルです。他者との交流や対話を通じて、自分の感情を言葉や行動で表現する方法を学びます。また、他者の感情を理解し、それに対して適切に反応する力も身につけます。怒りや悲しみといった強い感情を経験することで、どのように自分の感情をコントロールするかを学びます。これにより、ストレスフルな状況にも冷静に対処できる力が育ちます。

幼児期にリトミック体験することは、脳の発達、運動能力、社会性、自己肯定感、創造力、感情調整といった多くの面で子供の成長に大きな影響を与えます。この時期に得られた豊かな体験が、将来の学びや生活の基盤を築きます。

まとめ

リトミックの目的と、伝えたいことをお話ししてきました。簡単にまとめてみます。

リトミックの目的

リトミックには音楽的な課題があります。その課題は様々です。そしてその課題を体で表現、体験することこそ、リトミックもの目的です。体験することで、体で音楽を感じられる、理解できることが大きな目的です。

リトミックをすることで何を感じてほしいか

リトミックをすることで音楽を深く理解することができる、楽しいと感じられることが大切です。幼児期に体験することは、音楽を理解するにはとても有効な方法です。

Screenshot

体験することの重要性

幼児期の体験は一生の基本になります。心と体が大きく成長する幼児期こそたくさんの経験を積み重ねることが大切です。その経験は、大人になってからの経験と違い、人格に大きな影響を与えます。

リトミックの目的は、思っている以上に大きな意味と役割があると考えています。ぜひ、お子様にリトミックレッスンを受けさせる機会があったら思い出してほしいと思っています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を監修した専門家

平田みどりのアバター 平田みどり 絶対音感が身に付くピアノレッスン講師

ピアノ・リトミック教室HappyMusicのオーナー講師。4歳からピアノを始め、現役奏者の頃は年に100回近くのピアノ演奏、楽器店のミニコンサートへの出演などを行っておりました。
現在は千葉県柏市・我孫子市にあるHappy musicのオーナー講師として、リトミック、ピアノ講師として活動中。
幼稚園教諭免許・保育士免許・日本ジャックダルクローズ協会会員・リトミック認定講師資格・ベビーリズムマッサージ資格・ヤマハ指導グレード資格取得。

タップできる目次