なぜ日本人が裏拍の取れない人が多いのか。裏拍の取り方のコツとは。

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「リズム感に自信がなく裏拍が取れない・・・」「もっとノリよくかっこリズムを取りたい」など自身のリズム感に悩むことはありませんか?実は裏拍は、日本古来の音楽の文化にはなかったリズム感で、苦手とする日本人が多いのも事実です。今回は、なぜ日本人は”裏拍”の取り方が苦手なのか、裏拍の取り方のコツはあるのかなどをお話ししていきたいと思います。

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タップできる目次

リズム「裏拍」とは何か?

「裏拍(うらはく)」は、音楽において拍(リズムの基本単位)の中で、強拍(表拍)の間に位置する部分を指します。簡単に言うと、拍子の中で「隠れている」ような弱い部分のことです。裏拍は音楽のリズムを豊かにし、スイング感やグルーヴ感を生み出す要素として非常に重要です。

拍の間の位置

裏拍は通常、各拍の間に位置します。例えば、4分の4拍子では、1拍目と2拍目の間に「1&(1と2の間のタイミング)」というように現れます。「&」の部分が裏拍に当たります。具体例としては、拍子:1 – 2 – 3 – 4は1 & 2 & 3 & 4ということになります。

弱拍としての役割

表拍(1、2、3、4など)は通常、強調される拍ですが、裏拍はそれに対して軽い、または弱い拍として機能します。この弱さが音楽に「躍動感」や「跳ねるような感覚」を与えます。例えば、ジャズやスカ、レゲエなどの音楽では裏拍を強調することで独特のリズムを作り出します。

ダンス音楽やポピュラー音楽での重要性

裏拍は特にダンス音楽やポピュラー音楽で重要です。聴衆が体を動かしたり、手拍子を入れたりする際に自然と裏拍を感じることがあります。レゲエやスカでは、ギターやピアノが裏拍で和音を刻むことが一般的です。

実践的な例と聴き分け方

クラシック音楽では、裏拍が控えめに現れることが多いです。しかしジャズでは、裏拍がスイング感を生むための要素となります。またポップスやロックでは、ドラムのスネアが「2拍目」「4拍目」に来るため、これが「裏拍」として認識されやすいです。

裏拍を意識することで、音楽の奥行きやリズム感を深めることができるでます。

なぜ日本人は裏拍が苦手なのか?

日本人が「裏拍」を苦手とする理由は、文化的背景や教育の影響が大きいと言われています。

伝統的な音楽文化の影響

日本の伝統音楽(例えば、雅楽や民謡)は、西洋音楽とは異なるリズム感を持っています。日本の伝統音楽では拍子感が曖昧だったり、リズムの進行がゆったりとしていたりすることが多く、裏拍を明確に意識するリズム構造が少ないです。また、拍子を感じさせる楽器(ドラムのようなもの)が少なく、メロディ重視で進行することが多い点も影響しています。

学校教育のリズムトレーニングの不足

日本の音楽教育では、主に「表拍」を強調した指導が行われがちです。小学校や中学校の音楽授業では、リズムトレーニングよりも歌唱や鑑賞が中心で、複雑なリズム感覚を養う機会が少ないです。一方、アフリカやラテンアメリカのようにリズム中心の音楽文化を持つ地域では、幼い頃から裏拍やポリリズムを体験することが一般的です。

身体の使い方やダンス文化の違い

日本では、歴史的に集団的で静的な動きを重視する文化が根付いています。例えば、能や茶道など、動きが抑制された美学が中心です。そのため、裏拍を感じて自然に体を動かす習慣が少ないと考えられます。一方、西洋やアフリカ系文化では、体全体を使ったリズム表現(ダンスなど)が日常的で、裏拍を身体的に覚える機会が多いです。

言語リズムの違い

日本語は、リズムが、拍単位で構成されており、言葉の発音が均等に配置される傾向があります。この均等なリズム感は、アクセントやシンコペーション(裏拍を含むリズム)に慣れる機会を減らす要因となります。対照的に、英語やスペイン語などのリズムは強弱アクセントが顕著で、裏拍やスイング感を自然に感じやすい構造になっています。

日本人が裏拍を苦手とするのは、文化的な背景が主因ですが、リズムトレーニングやダンスなどを通じて体で覚えることで改善が可能です。ジャズやラテン音楽を意識的に聴くことや、スネアが強調されるリズム(2拍目と4拍目)に合わせて手拍子を打つ練習が効果的です。

裏拍は外国のものだった

裏拍は外国から来たものだと感じられる理由があります。それは日本の伝統文化や音楽の特徴、さらにはリズム感覚における歴史的な違いにあると思います。

西洋音楽のリズム文化の影響

「裏拍」という概念は、西洋音楽やアフリカ音楽のリズム構造に由来します。特に、ジャズやポップス、ラテン音楽などは裏拍を強調した構成が多く、これらの音楽が日本に輸入される形で広まったため、「裏拍は外国由来」という印象が強まりました。日本の伝統音楽には明確な「表拍」「裏拍」の概念が薄く、リズムが流れるように変化する場合が多いため、西洋的な裏拍の強調が「異質」に感じられた可能性があります。

日本の音楽文化に裏拍の意識が少なかった

日本の伝統音楽(雅楽、能楽、邦楽など)は、リズムよりも旋律や音色を重視しており、拍を明確に刻むよりも時間の流れに寄り添う表現が主流でした。
例えば、尺八や三味線の音楽では、間(ま)や余白が重要視され、裏拍を意識するような構造が見られません。このため、日本人にとってリズムやビート感を強調する音楽は「外国的」なものとして受け取られやすくなりました。

アフリカ音楽の影響による裏拍の発展

裏拍は、特にアフリカ音楽やその影響を受けたジャズ、ブルース、ロックなどの音楽で発達しました。アフリカ音楽ではポリリズムやシンコペーション(リズムのずれ)など、裏拍を感じさせる複雑なリズム構造が特徴的です。西洋音楽にアフリカのリズムが融合することで、裏拍を活かした音楽が誕生し、それが日本に輸入されました。裏拍はその発展過程から「外国の文化」として認識されたと言えます。

戦後のアメリカ文化の影響

第二次世界大戦後、アメリカの音楽文化(ジャズ、ロックンロールなど)が日本に急速に流入しました。これらの音楽は裏拍を強調するリズム感を持っており、戦後日本の若者たちにとって「新しいもの」「外国的なもの」として捉えられました。一方で、それ以前の日本の音楽は和風の旋律や伝統的な楽曲が中心であり、リズム感の根本的な違いが新鮮さや異文化としての印象を強めました。

裏拍が「外国のもの」と認識された理由は、もともと西洋やアフリカ由来の音楽文化が裏拍を発展させたこと、そして日本の伝統音楽や文化の中では裏拍の概念があまり発達しなかったことにあります。戦後の文化的な影響も加わり、裏拍は「異国的なリズム」として広まったと言えるでしょう。

裏拍の取り方のコツとは

裏拍を上手く取るには、音楽やリズムを体で感じるトレーニングが重要です。裏拍の取り方のコツを解説します。

表拍をしっかり感じる

裏拍を取るためには、まず表拍(1拍目、2拍目など)を正確に感じ取ることが重要です。表拍を正確に捉えられなければ、その間に位置する裏拍もズレてしまいます。練習法はメトロノームを使用し、「1-2-3-4」と表拍をカウントしながら手を叩く練習をします。表拍が安定して取れるようになったら、表拍と裏拍を交互に叩いてみましょう(例「1(表)- &(裏)- 2(表)- &(裏)」)。

メトロノームを裏拍で聴く

メトロノームの音を「裏拍」として感じる練習をすると、裏拍の感覚が鍛えられます。練習法はメトロノームを通常のテンポで鳴らし、その音を表拍ではなく「裏拍」と仮定してカウントします。例えば、メトロノームが「カチカチ」と鳴るタイミングを「&」として、「(空白)1&(空白)2&」のようにイメージしながらリズムを取ると効果的です。

体を動かしてリズムを感じる

裏拍を頭で考えるだけでなく、体を使って感じることが大切です。裏拍は「身体的な感覚」として覚える方がスムーズに取れるようになります。練習法は足で表拍を踏みながら、裏拍で手を叩く練習をします。足で「1-2-3-4」とリズムを取り、手では「&-&-&-&」と裏拍を叩きます。スムーズにできるようになったら、歩きながら裏拍を感じる練習をしてみるのも効果的です。

Screenshot

裏拍を強調した音楽を聴く

裏拍を多用する音楽に触れることで、自然に裏拍を感じられるようになります。オススメのジャンルはスイング感があり、裏拍が特徴的なジャズ、ギターやピアノが裏拍を刻むスタイルなレゲエ、はっきりとした裏拍がリズムのファンクなどがおすすめです。

裏拍を感じられるようになると、音楽がより楽しく、リズムの深みを楽しめるようになります。ぜひトレーニングしてみてください。

まとめ

裏拍とは何か、なぜ日本人には苦手な方が多いのかなどをお話ししてきました。簡単にまとめてみます。

裏拍とは何か

裏拍とは、音楽のリズムにおいて「表拍」と呼ばれる拍(1、2、3、4など)の間に位置する弱い拍のことです。例えば、4分の4拍子の場合、「1 – & – 2 – & – 3 – & – 4 – &」の「&」の部分が裏拍にあたります。裏拍はリズムのアクセントやスイング感を生む重要な要素で、ジャズ、レゲエ、ファンクなどの音楽で特に強調されることが多いです。

日本人が裏拍が苦手な理由

日本人が裏拍を苦手とする理由は、文化や音楽教育の背景にあります。日本の伝統音楽ではリズムよりもメロディや間(ま)を重視し、裏拍を意識する機会が少ないです。また、学校教育でも表拍を中心に学ぶことが多く、幼い頃から裏拍を体感する経験が少ないことが影響しています。さらに、日本語は均等なリズムを持つため、強弱のあるリズム感が育ちにくいことも一因です。

裏拍の取り方のコツ

裏拍を取るためには、まず表拍をしっかり感じることが大切です。メトロノームを使って拍子を刻み、その音を「表拍」としてカウントできるよう練習しましょう。その後、メトロノームの音を「裏拍」として聴き、表拍と裏拍の感覚を切り替える練習をします。また、体を使ってリズムを感じることも効果的です。足で表拍を刻みながら、手を使って裏拍を叩く練習を行い、リズム感を身体で覚えます。さらに、裏拍が強調されたジャズやレゲエなどの音楽を聴くことで、自然と裏拍の感覚が身につくようになります。これらを繰り返すことで、裏拍を正確に取れるようになるでしょう。

裏拍は日本人には馴染みが薄いリズムですが、裏拍があることでリズム感が格段に良くなります。コツを掴んで裏拍を感じられるようになることは大切です。

私は千葉県柏市でピアノ・リトミック教室をやっています。

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この記事を監修した専門家

平田みどりのアバター 平田みどり 絶対音感が身に付くピアノレッスン講師

ピアノ・リトミック教室HappyMusicのオーナー講師。4歳からピアノを始め、現役奏者の頃は年に100回近くのピアノ演奏、楽器店のミニコンサートへの出演などを行っておりました。
現在は千葉県柏市・我孫子市にあるHappy musicのオーナー講師として、リトミック、ピアノ講師として活動中。
幼稚園教諭免許・保育士免許・日本ジャックダルクローズ協会会員・リトミック認定講師資格・ベビーリズムマッサージ資格・ヤマハ指導グレード資格取得。

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