リトミックってなに？これを読めば納得。簡単にリトミックを解説

が乳幼児の頃からできる習い事として知られているリトミック。子育てをしていると１度は聞いたことがある方が多いのではないでしょうか。保育園や児童館、習い事教室なども多く、「赤ちゃんのときから親子で一緒に楽しめる習いごと」として、子育て中の保護者から多くの支持を得ています。リトミックとは簡単にいうとなに？という、みなさんの疑問を一挙に解決していきます。

リトミックの歴史

リトミックは今から100年以上前から存在します。その歴史と内容を見てみましょう。

リトミックを考えた人

今から100年以上前、スイスの音楽教育家・作曲家、「エミール・ジャック=ダルクローズ」によって創案された音楽教育法です。

何のためにリトミックを開発したの？

ダルクローズは、１９世紀後半～２０世紀初頭にかけて、音楽学生のための音楽基礎トレーニングの授業をおこなう過程で、“学生の音楽的センスを高めるためにどうしたらよいのか”という課題に直面し、いろいろと試行錯誤しました。そこでリズムや音に対して身体的に反応、行動することによって、諸感覚を集中させ精神と身体の一致調和、自発性、表現性などを培う「リトミック」を考案しました。具体的には、①リズム表現②ソルフェージュ、③即興演奏へと進んでいく、三段階からなる教科課程に沿って行われます。かなり難しそうですが、リズムを体で表現し、メロディーやハーモニーを感じ、聴き取る力を養います。その上で自らが演奏する即興演奏へつながっていくというわけです。

リトミックの言葉の由来

古代ギリシア語のアリズミア（eurhythmia）に由来していると言われています。アリズミアとは「律動的調和」を意味します。

リトミックの普及

日本では既に明治時代に紹介されています。山田耕筰も、ドイツ留学時にダルクローズのアトリエを訪れて、大きな刺激を受けたようです。その後、日本において、リトミックは音楽教育だけでなく、舞踏（ダンス）、演劇、幼児教育、障害児教育などでも、応用・指導されています。今ではリトミックは世界各国に紹介され、教育や音楽療法の分野で普及しており、わが国でも国立音楽大学、桐朋学園などで採用され、研究されています。

リトミックの歴史を知ると、奥が深く、ちょっと難しいと思った方もいるかもしれません。しかしリトミックを簡単に一言で言うなら「音楽教育法」でしょうか。

リトミックの効果のいろいろ

実際お子さんにリトミックをした場合の効果を上げてみます。学生のために作られた「音楽教育法」のリトミックですが、今やお子さんに人気の習い事になっている理由がわかると思います。

見えない音を捉えるお稽古

音は目に見えないエネルギーの集まりです。耳にしか聞こえませんがそこには意味やパワーが溢れているのです。リトミックでは見えない音を体で表現します。表現する時は広いスペースを使い、時間の経過とスペースのエネルギーを感じます。これを繰り返し表現することで音楽を体の芯から理解することができます。

感性を養える

目に見えない音を表現する時、体から湧き上がる感性を感じる瞬間があります。そのお稽古を続けると自然に感性を表現することが得意になります。特に子供たちのもっている感性は、大人にはない理屈ではいえないものがたくさんあります。その時代に感性を養えるリトミックは心地の良いものなのかもしれません。

ニュアンスを感じる能力が格段に上がる

人間には「人の気持ちを感じる力」、「流行を感じる力」、「インスピレーション」などを感じる力があります。「空気を読む」なんて言葉もありますね。この感覚には数字では言えないコントラストがあります。これがニュアンスです。「なんとも言えないこんな感じ」などと言う、一見曖昧なものです。しかし人間にはこのニュアンスを感じ取れる能力があります。その能力を上げるには、色々な音楽を聴いたり、物や風景を見たり、食べ物を食べたり、様々な経験の中で心と体が感じ取る事で育ちます。見たり聴いたり味わったりした思いを、ただ素通りしてしまうのではなく、出来るだけ感じて表現することで心と体を統一させていきます。つまりリトミックを行うとニュアンス能力が格段に上がると言うわけです。

協調性が生まれる

グループで音を表現する場面や、同じくらいの年齢の友達とチームに分かれて発表する機会も多いリトミック。一緒に表現する楽しさを味わえる集団行動の中で、自然と社会性が身に付き、コミュニケーション能力や協調性を高めることができます。

自己肯定感が上がる

丸をもらったり級をあげる習い事ではないリトミック。つまり思いっきり自分を表現できるリトミックは、認められる習慣と音楽のエネルギーを感じる気持ちよさに満たされる習い事です。もちろんリトミックは音楽教育法ですので後の音楽活動にはかなり有利です。

リトミックが必要な人

リトミックが必要な人をあげてみます。もし当てはまるようならリトミックを初めてみるのも良いかもしれません。

音楽の感性を身に付けたい人

リトミックは「音楽教育法」ですから、将来音楽を学んでいきたいと思っている方は、早期から始めることをお勧めします。その他、芸術、演芸、舞踊などの道に進みたい方などもかなり有効な習い事になりそうです。また早期から取り組めることから、お子さんの臨界期（幼児期においてある刺激が与えられたとき、その効果が最もよく現れる時期のこと）に能力を育めます。

表現が自らできる人

リトミックは聴いた音を全身で感じ、自分の身体で表現することによって音楽への興味を引き出します。自分で表現できる能力を幼少期に伸ばすことで、その後に人生においても表現が豊か、感性の能力が高くなるなどのメリットがあります。そのような人になって欲しいと目指すならリトミックは有効な習い事です。

幼稚園受験、小学校受験を考えている人

リトミックを習うことで、見えないものを考える力、表現する力、細かなニュアンスが培われます。それはお受験の場でも役に立つようです。都内のお受験塾ではリトミックを取り入れている教室も多くあります。また、「お受験にはリトミックが必須」と言うママたちは多く、お子さんをリトミック教室に通わせています。

リトミックに参加するには

リトミックは、子供の成長にとって貴重な経験となるようです。では手軽にリトミックが体験できる場所を紹介します。

市や町のイベント

保健センターや、市町村の子育てイベントなどで開催していることがあります。参加料も無料のことが多く、同じ年代のお子さんや同じ地域での交流もできます。また、各児童館情報をチェックしても良いかもしれません。

商業施設のイベント

市町村のイベントと同じで、商業施設が開催しているイベントがあります。子育てママさん向けのイベント情報をチェックすると良いでしょう参加費がかかることもありますが、￥500から高いくても￥1,000くらいでしょう。

リトミック教室に通う

地域のリトミック教室を探し、無理なく通える教室を探しましょう。レッスンは月２回、３回の教室が多いようです。定期的に通うことで力がつきます。また月謝は￥3,000くらいから￥5,000くらいの教室が多いようです。

YouTube動画ではだめ？

YouTubeなどでも「おうちでリトミック」などたくさんのコンテンツがあります。楽しくリズム遊びには適していますが、何度も視聴する間に子供はそれを覚えてしまいます。リトミックに重要なのは脳の「あっ！はっ！」体験です。変化を認識し体感する事です。ですからなるべく対面のリトミックにも参加しましょう。

リトミックができる場所は探してみると身近にあったりします。情報収集して、お得にリトミックを体験するのも良いですね。

リトミックとは？簡単にまとめると

ここまでリトミックとは？簡単に説明してきました。要点をまとめてみますね。

リトミックとは

100年以上前にダルクローズという作曲家が考案した「音楽教育法」です。それは、リズム、ソルフェージュ、即興演奏からなる音楽をもっと深く知るための身体的活動です。今や、その音楽を感じとる力が人間の感性、表現に重要だということがわかっています。心身の成長が目覚ましい幼少期にリトミックが人気なのはその影響です。

リトミックの効果

音学教育はもちろん、感性、ニュアンス、協調性などが育まれます。これは数字で評価するものではなく、人間力を伸ばす効果があります。

リトミックが必要な人

 リトミックを通じて、人間力を高めたい方、豊かな人間になって欲しいと思っている方には有効な習い事です。

リトミックとは？簡単は解説してきました。「リトミックが数字で測れない」ということと一緒で、簡単にというわけにはいきませんでしたが、要点はわかっていただけたのではないでしょうか。