絶対音感はどう身につける?何歳までにトレーニングすれば良い良いか詳しく解説。
絶対音感を身につけたい、お子さんに習得させたいと思っている方も多いのではないでしょうか。実は絶対音感を身につけるには年齢制限があるんです。しかしその時期に適切なトレーニングをすると絶対音感がほぼ確実に身に付きます。絶対音感は、聴覚の素晴らしい才能の1つです。お子さんに絶対音感をつけてあげられるのなら、ぜひその時期に適切なトレーニングを受けるべきです。
絶対音感指導をしている私が解説します!
絶対音感を身につけるられる年齢とは
絶対音感を身につけるのには年齢の制限があります。人は誰でも絶対音感を身につける可能性を持っていますが、成長とともに、その可能性を失います。その年齢を過ぎると、トレーニングをしても、絶対音感に到達することはありません。したがって、この時点で絶対音感を身に付けたいが諦めればならない方がいることをどうかご了解ください。
何歳まで身につけることができる?
絶対音感習得には6歳半までである事が条件です。人はありあまる可能性を持って生まれながら、一定期間、それを使う環境にないと、「それは不要な能力である」と判断し、 その能力の発達を止めてしまいます。より必要な能力を伸ばすための仕組みです。身につけられる時期が限られている能力は、絶対音感以外にもあります。
母国語の獲得も、その1つです。年齢が高くなってから学んだ言語は、母国語のようにはなりません。これらは、聴覚神経の発達に関連すると考えられています。
臨界期
臨界期とは生理学用語で、人間の脳の発達の幼児期においてある刺激が与えられたとき、その効果が最もよく現れる時期をさします、臨界期に適切な刺激を与えておけば、その後成長してからもすぐにコツをつかむことができるので、技能の上達が早くなります。言語や数学、音感、感覚などに臨界期は存在しており、その臨界期は6歳未満。脳科学的にまぎれもない事実です。よって、外国語や数字を処理する能力(筆算や暗算)、絶対音感を育みたいなら、3歳ころから6歳までに始めるのがベストです。
絶対音感とクロマの存在
絶対音感では「クロマ」の特定能力です。「クロマ」とは簡単に各音特有の響きを言います。人は音を高い低いと言いますが、クロマのその音特有の響きをもっているので、音の固定に関係なく音名が特定できます。その能力が絶対音感なのです。そして、このクロマは加齢によりトーン・ハイト(音の高低)に傾いてしまうのです。
絶対音感は低年齢のお子さんのみ身につける事ができる能力だったんですね。
絶対音感を身につける方法
絶対音感は1日、2日では身につきません。一定期間トレーニングする必要があります。トレーニング中の注意点をお伝えします。
比べない、感情を当てはめない
絶対音感トレーニングは絶対的な聴き方をするトレーニングです。何かと比べてはなりません。それはトレーング中の講師の反応、声かけでもそうです。人間は賢い生き物で、顔色を見たり、正解を導き出すためさまざまな情報を入手し比較しようとします。これは正しい成長の現れです。しかし絶対音感を身につけるためのトレーニングでは、比較したり、叱ったり、あからさまに褒めてもいけません。それは、トレーニングで絶対的な聴き方をするための方法なのです。
トレーニングをやめない
トレーニングは、絶対音感が身につき定着する6歳半ごろまで続けます。それは教室でのトレーニング以外でもご家庭の力をお借りし、続けていきます。1回は短いトレーニング時間ですが、1日に何度かトレーニングをします。
親の根気勝負
トレーニングは保護者の力をお借りせざる得ません。絶対音感を身につけるため、トレーニングを欠かさずして頂くご苦労は大変かと思います。
身についた絶対音感はなくならないのか
絶対音感は一度身につくと、多くの場合、なくならないとされています。その理由を4つにまとめてみました。
脳の構造に強く結びついている
絶対音感は、特に幼少期の脳の発達過程で強化されるため、脳内で音に対する固定的な認識が確立されます。この神経回路が形成されると、後から変化するのは非常に難しいです。
長期的な記憶に依存している
絶対音感は短期記憶ではなく、長期記憶に蓄積されるスキルです。そのため、一度習得すると、忘れにくく長期間保持されやすいです。
日常の音との接触が常に刺激になる
絶対音感を持つ人は、日常生活で音楽だけでなく、あらゆる音を聞いたときに自動的に音の高さを認識します。このため、無意識に絶対音感が維持されやすい環境が常に整っています。
訓練や経験の積み重ね
絶対音感は訓練や楽器の演奏経験によって強化されます。音楽活動を続ける限り、音感が衰えることは少なく、むしろ感覚が維持されやすくなります。
こうした理由から、身についた絶対音感がなくなることは極めて稀です。
絶対音感が身につくと良いこと
絶対音感が身につくと良いとされる理由をまとめてみました。
音楽の理解と分析が深まる
絶対音感があると、音楽の構造やハーモニー、転調などを瞬時に理解することができ、より高度な音楽分析や作曲に役立ちます。作曲や編曲の際にも、音の選択や配置が自然に行えます。
楽譜がなくても曲を再現できる
聴いた音や曲をすぐにに音名として認識できるため、楽譜を見なくても曲を再現する能力が向上します。これにより、耳で聴いた曲をすぐに演奏できるなど、音楽的な表現力が高まります。
言語や他の音に対する敏感さが向上する
絶対音感を持つと、言葉のイントネーションや発音にも敏感になり、特に音が重要な言語の習得に役立つことがあります。また、日常生活の中で微妙な音の変化にも気づきやすくなり、他の分野でも役立つ可能性があります。
楽器のチューニングや演奏が容易になる
絶対音感を持つ人は、特定の音を基準にせずに楽器をチューニングしたり、正しい音程で演奏できるため、楽器の音合わせが迅速かつ正確に行えます。
絶対音感が身につくと音楽的な才能が大きく広がると考えられています。
まとめ
絶対音感が何歳までに身に付くのか、どのように身につけるのかのを詳しく解説してきました。簡単にまとめてみます。
身に付く年齢と、トレーニング法
絶対音感を身につけるのは6歳半までの適切なトレーニングが必要です。身につけるにはは正しトレーニング方法を一定期間続けるしかありません。正しい方法とは確立された絶対音感習得方法で、そのトレーニング手順に従って行っていきます。絶対音感習得コースなどがある音楽教室に相談し、経験のある講師と共に進めていくのが習得の近道でしょう。
絶対音感は無くならない
絶対音感は6歳半までに正しいトレーニングを一定期間行うことで身につきます。しかしそれは幼児期ということから、毎回順調にいかないこともあるかもしれません。しかし、幼児期に正しく身についた絶対音感は、なくなることはありません。一生のギフトになるのです。我が子に絶対音感の能力が一定期間のトレーニングでつくのなら、それはやってみる価値は十分あります。
絶対音感があると良いこと
絶対音感の利点は多くあります。比べなくても音が正しい音名に聞こえるわけですから、音楽活動には利点しかありません。また、聴いただけの音楽を音名で再現できる、楽器のチューニングができるなど便利な場面も多くなります。音に敏感なことから、細かなニュアンスの違いに気づけるので、複雑な語学の習得などにも役に立ちます。
絶対音感は、人間が持つ聴覚の素晴らしい能力です。この神秘的な能力が幼児期のトレーニングで確実に身につけられるのであれば、ぜひチャレンジしてみたいですよね。