絶対音感を子供に習得させたい。習得の方法と身につくまでの期間はどのくらい?

絶対音感とは、比較なしに音の高さを音名で把握することのできる才能のことです。音の基準を自分の中に持てるようになると、耳から聴いただけで、すぐに弾いたり楽譜に書く(弾く、書く訓練は必要です)ことができるなど、音楽をする上で有利なことがたくさんあります。聴覚は五感の中で一番最初に発達をはじめ、6才半くらいには、だいたいの発達が終わってしまうといわれています。したがって、この時期に適切なレッスンをすることで絶対音感を身につけることが出来るといわれています。我が子に「絶対音感」を身につけさせたいと思っている親御さんに向けて、詳しくお話しをしていきたいと思います。

うちの子にも身に付くのかしら?
絶対音感はトレーニングで身に付く
絶対音感は、トレーニングによって身に付く能力です。ただし、トレーニングを始める年齢が早いほど、習得しやすくなります。
早期教育プログラム
一般的には、5歳くらいまでにトレーニングを始めないと、身につけるのは難しいと言われています。ただし早すぎては、トレーニングを理解することが大変です。目安としては早くて2歳半くらいから5歳の間がトレーニングに最適な時期と言えるでしょう。


個別指導
早期教育が必要な絶対音感トレーニングは低年齢から始めるため、きめ細かい対応が必要です。従って、グループレッスンではなく個別指導が向いています。また親御さんも付き添い一緒にトレーニングを進めていきましょう。
経験豊富な講師
トレーニングは、経験豊富な講師、実際に絶対音感を習得させた経験がある講師、教室を選びましょう。音楽教室として「絶対音感トレーニング」をうたっている教室を探すことです。
楽しい環境
低年齢を対象としたトレーニングですから、それは楽しくなくてはなりません。トレーニングといえ、お子さんにとっては楽しくゲームのような感覚になる楽しい環境、進め方をすることは重要です。
絶対音感は、トレーニングによって身に付く能力です。しかし、トレーニングを始める年齢が早いほど、習得しやすくなります。絶対音感トレーニングはベテランの講師が楽しくトレーニングをすることがポイントです。
絶対音感が身につくまでの期間
絶対音感を身につけるまでの期間は個人差がありますが、一般的には子供が早期に訓練を始めた場合、比較的短期間で絶対音感を身につけることができます。期間の目安を4つの段階で説明します。
導入期(0~半年)
幼児期に音楽教育を始めた場合、最初は「ド・ミ・ソ」などの基本的な和音の聴き取りから始めます。音の認識や、音に慣れることが重要です。この時期は音感の基礎作りとして、音色を聞き分ける練習が中心です。
基礎習得期(半年~1年半目)
音色の聴き分けができるようになり、少しずつピアノで弾く様々な和音を正しく識別する練習を何度も行います。この時期には、聴いた和音の構成音を「ド」「ミ」「ソ」などと判断できるようになることを目指します。


定着期(1年半~2年目)
この時期には、ほとんどの音を正確に識別できるようになります。様々な音の高さや音色の違いに応じたトレーニングを続けることで、絶対音感が安定してくる段階です。楽器による音の違いや、周囲の雑音があっても音を聞き分けられるようになることが目標です。
完成期(2年目以降)
長期間の訓練によって絶対音感が確立され、音楽を聞いた時に自然に音名がわかる状態になります。この段階に達すると、あらゆる音に対して瞬時に音を認識することができるようになります。
平均的な期間でお話ししてきましたが、実は私が指導している生徒さんの中には半年で確実に絶対音感が身についたお子さんも何人かいます。上記の期間はあくまで目安で、この期間よりも早く身につくお子さんが多い気がします。
絶対音感が身につく確率
絶対音感が身につく確率は、早期の正しいトレーニングや、やり方で違いが出てきます。次の4つの要因に基づいて、その確率が変動することを解説します。
訓練開始年齢
絶対音感は幼少期に音楽を学び始めるほど習得しやすく、特に言語と同じように自然に習得する可能性も高まります。一般的には、幼児期(6歳半まで)に音楽教育を開始した場合、20~30%の確率で身につくとされていますが、年齢が上がるほど難易度が高くなります。私の行う絶対音感トレーニングを正しく行えば、ほぼ確実に絶対音感は身につきます。
遺伝的要因
絶対音感は遺伝的な影響も少なからずありますが、必ずしも親が絶対音感を持っていれば子どもにも備わるというわけではありません。ただし、音楽的な素質がある家系では、音感が発達しやすい環境が整っていることが多く、確率がやや高まると考えられています。
訓練の質と環境
家庭や教育機関での質の高い音楽教育が行われる環境では、絶対音感が身につく確率が上がります。例えば、週に数回のピアノやバイオリンのレッスン、絶対音感に特化した訓練など、専門的な指導があれば確率が高まります。
個人の性質とモチベーション
音に敏感で興味を持つ子供は、訓練を楽しんで続けることができるため、絶対音感が身につきやすい傾向があります。一方、音感に対してそれほど興味がなく、モチベーションが低い場合は確率が低くなります。このため、音楽に強い関心を持っているかどうかも重要な要素となります。また、幼少期に行う絶対音感のトレーニングは、保護者の負担も大きく、モチベーションが大きく左右します。


大人になってから絶対音感を身につける確率は非常に低く、ほとんどの人にとっては相対音感の訓練のほうが現実的です。ただし、音に対する感受性が高く、集中して訓練を続けられる場合、大人でも例外的に絶対音感が発達することがあるとされています。
遺伝と絶対音感の関係
絶対音感と遺伝の関係は、完全には解明されていないものの、いくつかの要因が影響すると考えられています。以下に、絶対音感に対する遺伝的影響の可能性を4つの観点で説明します。
音感素質の遺伝的影響
音に敏感である特性や聴覚的な感受性は、遺伝的な素質として家系に引き継がれることがあります。音楽家や絶対音感を持つ親を持つ子どもが同様の能力を示すことが多いため、遺伝的に音感の素質があるとされる場合もありますが、絶対音感そのものが遺伝するわけではなく、感覚的な基礎が影響していると考えられています。
脳の構造の遺伝的特徴
脳の聴覚皮質の活動が絶対音感と関係していることが研究で示唆されています。絶対音感を持つ人は特定の音を聞いた時に脳の特定領域が活性化しやすいとされ、その脳の構造や活動パターンが遺伝的に受け継がれる可能性があります。つまり、音の識別に関わる脳の構造や機能が親から子へと受け継がれ、絶対音感を発達させやすくする要因となるかもしれません。


言語環境との相互影響
言語には音の高さやリズムが重要なものもあり、特に日本語や中国語など音の高さに敏感な言語環境において、遺伝的素質と相まって絶対音感を身につける確率が上がる傾向があります。特に遺伝的に音に敏感な素質がある場合、こうした音に富む環境が絶対音感習得の助けとなる可能性があります。
親の音楽的影響と環境
音楽家や音楽に精通した親がいる場合、子供は幼少期から音楽的な環境に触れることが多くなります。このような家庭環境は絶対音感を身につけるための有利な状況を提供し、親からの遺伝的影響と音楽環境の相互作用によって絶対音感を発達させやすいとされています。例えば、遺伝的に音楽的素質があるとともに、親が早期の音楽教育を推進する場合、絶対音感の習得に有利になります。
遺伝が絶対音感に与える影響は完全には解明されておらず、音楽教育の開始時期や訓練環境の影響も大きく関係します。遺伝的素質だけでなく、音に対する興味や環境の影響も重要な要素です。
まとめ
絶対音感の習得方法、身につくまでの期間などを詳しくお話ししてきました。簡単にまとめてみます。
絶対音感の習得方法
絶対音感を習得するには、幼少期からの正しいトレーニングが最も効果的とされています。絶対音感は一朝一夕で身につくものではないため、長期的に音感トレーニングを続けることが大切です。親や指導者が根気強くサポートし、毎日少しずつ音を聞き分ける練習を続けることで、徐々に音と音名が無意識に結びつくようになります。こうした反復練習が習慣化されると、日常の中で聞こえる様々な音が自然に音名として認識されるようになり、絶対音感が定着していきます。
絶対音感が身につくまでの期間
平均的には2年と言われています。しかし、私が実際トレーニングをしている生徒さんは2年よりも早く身についているように思います。中には半年で身についたお子さんも何人かいます。
絶対音感が身につく確率
絶対音感が身につく確率は、幼少期(3~6歳半)までに正しいトレーニングをした場合、ほぼ確実に身につけることができます。また早期の音楽教育(ピアノ・ヴァイオリンなど)を受けることで確率は高まり、約20~30%程度とされていますが、年齢が上がると習得は難しくなります。


絶対音感は習得できます。それには年齢と正しいトレーニング方法を行う必要があります。音楽教育を早期から行うことも絶対音感が身につく確率は上がります。フォームの終わり