ピアノが家になくてもピアノ教室に通っていいの?ピアノ教室現役講師が詳しく解説

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ピアノを弾いてみたい!弾けるようになりたい、そう思い、ピアノ教室に通われると思います。しかし家にピアノがない、すぐに購入しなければならない?どれくらいまでにどんなピアノを買えば良いの?など、現役ピアノ講師が詳しく解説します。

平田先生

ピアノの購入はハードルが高いですよね。

タップできる目次

最初からピアノは必要?

お子様のピアノの場合、これから続くかわからないし様子を見てからかな…でもせっかく始めた習い事だし長く続けて欲しいな…と悩むと思います。ピアノ購入は大きな買い物になりますし、せっかく買っても途中で辞めてしってはたまりませんよね。

結論は・・・

「必要です」ピアノを習う、習得するならピアノは必要になります。しかし、レッスンの進み具合や、レベルによっては順序を追って揃えていくなど、ポイントはあります。ピアノの高価、安価の話ではなくピアノを習うなら鍵盤を準備しましょう。

年数とレッスン進度

お子さんがピアノレッスンを初めて、次のような進度を辿ることがほとんどです。

導入期・・・習いはじめ~半年                        初級前半・・・半年~1年半                          初級後半・・・1年半~3年半                          中級・・・4~5年半                                上級~・・・7~8年以上

考え方は様々なのは当たり前

ピアノを購入するか問題に、様々な意見があるのはよく分かります。「ピアノ(高価)がない人は、ピアノを弾いてはいけないのか?!いや、そうではない、誰でも気軽に楽しむべきだ」とか、「ピアノを習う以上、良いピアノを準備しなければ上達はしない」など、そういう極端な話ではなく、何を正しいとするかは本人の考え方であり、またそれが一番正しいと私は思っています。ここで解説しているのは、進度から見た場合、ピアノがどんな役目を担うのか、また、お子さんにピアノを習得して欲しかったら、「練習する(弾ける)ピアノは準備したほうが良い」という事です。

何を目指すのか

何を目指すのかで考え方も変わりますよね。まず、ピアノを習うことでどうなりたいのかで、「ピアノが必要」の答えも変わってくることは確かです。

結論としては、「ピアノは必要」です。しかしそれは、「早急」にとか「高価」なという意味とは違い、ピアノを習うことで、どうなりたいのかという目標でも変わってきます。

レッスン内容とピアノの関係

では、レッスンとピアノの関係を解説し、適切な時期に適切なピアノを準備できよう、お話しをします。

お子様の各レベルとは

お子さんのレベルの内容を詳しく解説します。

導入期・・・お子さんは習い始めてピアノを弾くのがとても楽しみな時期でもあります。ピアノを弾く楽しさを感じてもらいながらも楽譜の読み方、リズム感、聴力、正しい演奏フォームを身につけてもらうことに注力します。

初級前半・・・曲の難易度が上がり、両手で違う動きが登場してくる時期。

この時期からはお家でも練習をしないとレッスンが進みにくく、つまづくお子さんも現れ始めます。お家でも譜面を一緒に読んだり練習を促したり、ご家族のサポートが非常に重要な時期です。

初級後半・・・好きな曲がだんだんと弾けるようになり始める時期。

強弱記号に気を付けたり、表現することを覚え始めます。またペダルも使いはじめたり、新たなことに挑戦する時期です。

自宅のピアノも音量の大小だけではなく、弾いた時に「音色の変化」も表現できるピアノが望ましいです。

中級・・・・この時期では基礎も身に付き選曲の幅も広がってくる時期。

レッスンではさらに強弱表現や表現方法が複雑化し、ペダルも高度な技術が求められます。電子ピアノではハーフペダル(踏み込み後の調整)など高度なペダル奏法を再現できる機種に限られ、アコースティックピアノでの練習が望ましくなります。また進学により生活リズムも変化してくるため、限られた時間でどれだけ練習ができるかが重要になってきます。

上級・・・・基礎基本、表現力もしっかり身に付き選曲の幅もさらに広がり本格的な曲にも挑戦し、曲のレパートリーを増やしたり、さらに深い音楽表現を磨く時期です。先生からの音楽的なアドバイスも理解でき、音楽大学受験を目指せるレベルに近づく方もいらっしゃいます。この時期に取り組む曲はグランドピアノでなければ弾くことは非常に難しくなります。

進度とピアノの必要性

進度に合わせて、ズバリ最適なピアノをご紹介します。

導入期・・・ピアノを購入するなら必ず88鍵盤を購入しましょう。また、正しい姿勢を作るため、足つきのピアノを準備しましょう。

初級・・・鍵盤に重みがあるアコースティックに近いものが良いでしょう。  ペダルがついているものを準備しましょう。                          

中級・・・ アコースティックのピアノを準備しましょう。                           

上級~・・・グランドピアノを準備しましょう。

ズバリなお話しなので、余裕がない感じに聞こえますが、段階的には上記のような目安でピアノを準備しましょう。キーボードはピアノに興味を持ってもらう導入としては良いですが、ピアノレッスンの練習という目的には適していません。

キーボードの鍵盤は中が空洞で弾き心地がとても軽く、鍵盤の数がピアノよりも少ないものが多いのです。これはお子さんが戸惑ってしまう原因にもなります。

また、1度キーボードで弾く習慣がついてしまうと、ピアノはもちろん電子ピアノでも鍵盤を重く感じてしまい弾きづらくなってしまいます。続くかわからないからとりあえずキーボードで練習していたという方は、なるべく早く、ピアノ、もしくは電子ピアノに切り替えましょう。

ピアノ講師からのお願い

ピアノを習得するためには、練習は必然です。例え最初は楽しくピアノ教室に通うだけだったとしても、続けていれば練習は必ず必要になります。よく、体験レッスンにお越しの方が「練習しなくても上手になりますか?」とお聞きになりますが「勉強しなくても頭が良くなりますか?」と質問しているのと一緒です。つまり、練習できる環境をご家庭につくって欲しいのは講師の願いです。また、練習したい、弾いてみたいと意気込んでいるお子さんのためを思ったら、やはり早期にピアノの準備をして欲しいものです。

ピアノを準備する目安をお伝えしました。ピアノを準備するのは何のため?それは、お子さんがピアノを楽しく習得するためなんです。

ピアノが上手くなる方法とは

ピアノを上達させる方法に「ピアノ」(楽器)の力が大きく関わっているのをご存知ですか。

楽しく練習する

練習が大切なことは十分ご理解いただけたと思います。その練習を楽しくできるのがピアノの効果でもあるんです。ピアノを弾いて「楽しい」と思えるピアノ、それはキーボード<電子ピアノ<アコースティックピアノの順に並びます。楽しいと練習したくなりますよね。つまり、楽しい→練習したい→という流れで、練習が習慣化していくわけです。

アコースティックと電子ピアノ

ピアノは演奏者の弾き方で、ほぼ無制限に表現できるのに対して、電子ピアノはセンサーの性能の限りでしか表現ができず、鍵盤を弾く感覚も異なります。アコースティックピアノは楽器の中に張られた鉄の弦をフェルトのハンマーで叩き、音が楽器の中で反響することで音が鳴るのに対し、電子ピアノは鍵盤の先にセンサーが取り付けられており、センサーが弾いた強さや場所を検知することでスピーカーから音が鳴る仕組みです。分かりやすくいうと、車の実車で運転するか、カーシュミュレーター(ゲーム)で運転するか、のような違いの感覚です。理由は、臨場感、音のエネルギーを感じる、演奏の満足感が圧倒的に違うからです。体感すると納得すると思います。楽しいピアノとは、実車で風を切りドライブできる楽しさがあるということです。

続けること

楽しいピアノがある→練習する→上達する→楽しい→練習する→上達する・・・この良い循環こそが、続くピアノにつながります。もちろん続く理由はこれだけではありませんが、ピアノという楽器が続けられる理由の1つなのは確かです。

ピアノを習おうと思ったきっかけはどんなことですか。「上手くなりたい」「楽しんでやりたい」色々だと思います。ピアノを上達させ、楽しく続けるもらうために、レッスンの進度や将来を見据えてピアノを選んでみてください。

ピアノの選び方

ピアノの特徴と値段を解説します。また、ピアノってどこで買えるの?のお話もしますね。

ピアノの種類

キーボード・・・これは「ピアノ」とは言いません。「キーボード」という楽器です。鍵盤数は様々で、軽く、気軽に鍵盤に慣れることができます。

電子ピアノ・・・アコースティックピアノを忠実に再現した、家電式ピアノ風です。お家で気になる騒音を音量調節やヘッドフォンを使うことで対策ができ、軽量コンパクトで調律やメンテナンスの必要がほとんどありません。アコースティックピアノには無い、様々な音色やデモ演奏、メトロノームや録音機能といった練習に役立つ機能が搭載されています。弱点は家電的な寿命があること、グランドピアノやアップライトピアノに比べて表現力と対応できる演奏技法が狭まってしまう点があります。

アップライトピアノ・・・グランドピアノをコンパクトにした箱型のピアノ。グランドピアノとは鍵盤アクションの仕組みやピアノ自体の大きさが違うため、鍵盤を弾く感覚や表現力の幅に違いはありますが、省スペースで豊かな表現力と様々なペダルワークに対応ができます。中級者にはもちろんのこと、レッスンに通いはじめの方もアップライトピアノでの練習が望ましいです。初めからアップライトピアノを購入したら、間違いありません。また、一生物であること、手放すときも財産になるというメリットがあります。これはグランドピアノでも一緒です。

グランドピアノ・・・圧倒的に高い連打性や豊かな響きがあります。細かな表現や音の変化を捉えやすく、演奏が難しい曲も弾きやすくなります。幅広い表現や技術を求められる中・上級者の方や、音楽大学受験を目指すかたは普段からグランドピアノでの練習が望ましいです。

ピアノの値段

キーボード・・・鍵盤数(大きさ)にもよりますが、数千円から1、2万くらいでしょう。

電子ピアノ・・・10万円くらいから30万円くらのものもあります。価格の差は鍵盤の材質、様々な機能、スピーカーの数、品質などの違いで大きな差が出ているようです。

アップライトピアノ・・・新品ですと80万円くらいから100万円は軽く越します。しかし中古ピアノが多くあり、それらは40万円くらいから60万円くらいです。また中古アップライトピアノの方が鳴りがよく、弾きやすいメリットもあります。

グランドピアノ・・・大きさによりますが、新品ですと150万円くらいから300万円くらいです。こちらも中古ピアノが多くあり、それらは100万円くらいから200万円弱くらいが多いです。アップライトピアノ同様、中古の方が鳴りがよく、弾きやすいです。

ピアノを購入するには

ピアノってどこに売っているの?という方もいると思います。最近ではショッピングモールの中に入っている楽器店でピアノの展示を見かけたりするかもしれません。もちろんそういった楽器店で相談するのもようでしょう。またピアノ教室の講師に相談するのも良いでしょう。かえって講師紹介割引などがつかえ、お得になるかもしれません。今の時代ネットで購入も良いかもしれませんが、必ず購入機種(電子ピアノ)などがあれば試弾する事をお勧めします。アコースティックの場合も、特に中古は個体差も大きいので、こちらも試弾をしてから選んで下さい。

ピアノという楽器について解説しました。金額も知り、決して安いものではないこともわかりました。また置き場の問題、音の問題など、妥協できる、妥協したくないポイントを絞って検討すると良いでしょう。

ピアノが家になくてもピアノ教室に通っていいの?のまとめ

ピアノが家になくてもピアノ教室に通って良いかを、簡単にまとめてみました。

平田先生

ピアノを用意していただけると助かります!

結論は・・・

ピアノを習うならピアノは必要です。野球をするのに、グローブやバットがないのと一緒です。

進度に合わせたピアノ

 上述したお子さんの進度に合わせて、「おいおい準備する」でも問題ありません。要するに「高価なピアノ」とか「すぐに必要」という話でなく、適切な準備をすることが大切ということです。

ピアノが楽しい、練習したい、と思えれば自ずと成長(上達)が見えてきます。そのためにも、適切な楽器の準備は大切です。それは中古でも、もらいものでも構いません。できる範囲で適切な楽器で練習に取り組んで欲しいと願っています。

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この記事を監修した専門家

平田みどりのアバター 平田みどり 絶対音感が身に付くピアノレッスン講師

ピアノ・リトミック教室HappyMusicのオーナー講師。4歳からピアノを始め、現役奏者の頃は年に100回近くのピアノ演奏、楽器店のミニコンサートへの出演などを行っておりました。
現在は千葉県柏市・我孫子市にあるHappy musicのオーナー講師として、リトミック、ピアノ講師として活動中。
幼稚園教諭免許・保育士免許・日本ジャックダルクローズ協会会員・リトミック認定講師資格・ベビーリズムマッサージ資格・ヤマハ指導グレード資格取得。

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