ピアノの先生必見、ピアノ教室の月謝をどう設定するか。設定方法と納得の解説付き

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新米のピアノの先生、またはピアノ教室を開講し、初めての月謝設定をする先生もいらっしゃいますよね。この記事では、ピアノ教室の月謝の設定をどうするか、納得の設定方法を解説します。少しでも月謝決めの後押しになることを願っています。ピアノ教室を開講し月謝をどうするか悩んでいる先生方、ぜひ参考にしてくださいね。

平田先生

月謝設定、悩みますよね。詳しく解説しますね。

タップできる目次

ピアノ教室の値段の設定の考え方

ピアノ教室を開講する時、考えなくてはならないのがレッスン料、つまり月謝の設定です。いざ、設定するとなると実はすごく悩むもの。また同業者や、その道の先輩にはなかなか聞けないものです。まずは設定の考え方をお話しします。

決め方

これは決まりがあるものでも、月謝設定に上限下限があるものでもありません。決め方と言えば、ひと事で言うと「自分で好きな値段に決めて下さい」です。しかし、これではかなり投げやりな言い方ですし、決め方の考え方は後述していきますね。

相場

どのピアノの先生も相場を調べることが多いと思います。ピアノ教室の相場、近隣の相場、大手音楽教室は?年齢の相場などなど。相場を調べると確かに適正価格はわかります。相場を知ると、基準がわかるメリットがあります。しかし、今回の記事で述べたいのは、相場は一般論であること、自分の提供するピアノレッスンの価格はいくらに設定するかのお話しです。相場のデータは割愛しますね。

値段の価値

そもそも、ピアノレッスンの対価つまり月謝は、先生が提供する情報、スキル、など無形の価値です。(物販ではないと言うこと)ですから月謝設定に悩むのです。仕入れがあれば大体の価格は決まります。ピアノの先生は自分に値段をつけないといけないのです。  

月謝設定がなかなかはかどらないのも、何だかわかった気がしますね。「自分の値段を決める」なんて恥ずかしいような、複雑な気がします。

「自分」のコストを振り返り考える

では、「値段」を決めるための材料を集めていきたいと思います。

平田先生

自信を持って月謝を決めてください。

ピアノ習得までにかかった時間、費用

あなたは、今のピアノスキルを習得するのにどのくらいの時間がかかりましたか?また、どのくらの費用がかかってでしょうか。数字で書き出してみましょう。価値の価格を決めるのには算出する数字も大切です。また、数字は納得性があります。

何年くらいピアノを習っていたか、当時のピアノ教室の月謝はいくらで何年かよったか、音楽大学を出ていればその学費、音楽の資格を持っていればその資格に費やして時間、費用、教室運営のノウハウの講習を受けた方はその費用など。細かくピアノスキル、教室運営など、ピアノ教室にかかるスキルの習得時間、費用を書き出して下さい。このことによって、自分がどれだけピアノに費やしてきたのかがわかります。

ピアノ教室運営の費用

こちらも数字で書き出しましょう。ピアノ教室立ち上げにかかった費用はもちろん、ピアノの代金、調律代、空調費、賃貸費(自宅の方も広さを考慮し場所費用を算出しましょう)、レッスン室の整備、生徒の教材費(ノート、紙、鉛筆、消しゴム、シール)など。ピアノ教室でも物理的にかかるランニングコストはあります。細かく書き出し、この費用は月謝ではなく「施設維持費」といて徴収しても良いですね。

自分の価値とは

1-3でも書きましたが、自分価値とはほとんどの方が謙遜されます。特に日本人はその傾向が強いと思います。この傾向が値段設定で躊躇する理由かもしれません。しかし、上述の通り数字を書き出したら、自分にかけた時間、そして費用の多さに驚いたと思います。これは数字の話ですから、これが全ての価値ではありませんが、どうか自信をもって月謝設定をして欲しいのです。

数字を出したことで、自分がピアノにかけてきた時間費用が見えてきましたね。これも1つの設定時の材料にしましょう。

納得のいく価格設定

値段は消費者も提供者も納得がいっているかどうかが大切です。逆を言えば、納得さえいっていればいくらでもいいのです。もちろん両者が、の話です。

教えていて納得がいっているか

納得にはポイントがあります。納得=それで良い、と言うこと。それで良くないことがあればストレスが溜まります。ストレスどころか、ピアノ教室運営ができなくなる恐れもあります。生徒さんは「それで良くないこと」があれば辞めればよいですが、先生は辞めるわけにはいきませんし、コロコロ変えるわけにもいきません。

起こりうる事例を考え、「それで良い」か「それで良くない」かの判断をしていきましょう。

売り上げを出しているか

ピアノの先生に限らず、教育たるもの営利のためにしてはいけない、と言う考え方が根深くある気がします。さまざまな考え方がありますが、売り上げを出さずにどうして経営ができるのでしょうか。あるピアノの先生は自分の教室のピアノ発表会の収支を全て表にし、領収書を添付し、「皆様からの参加費はこのように使わせていただきました」と保護者へ報告していました。参加費はかかった実費のみに消え、それでも少しの赤字があるくらい。発表会という大きな仕事の労力代は全てボランティアです。これは大きな間違いだと思います。3-1でお話ししたように「それで良くない」ことだと思いませんか。労力の対価がないのにモチベーションなど上がらないと思うのです。

価格=価値になっているか

消費者は、あなたが提供する価値(生徒が通いたいと思う、保護者が良い教室、先生だと思う)を見て、買うか買わないかを判断します。これは裏を返すと、自分には「価値の必要がないので買わない」ということになります。あなたの教室の地域の人々は、あなたの教室の価値、つまり、あなたの教室にお子さんを預けたら、どんな「嬉しい!」「やったー!」がお子さんや保護者さんに待っているのか、それを説明できますか。もしわからないのであれば、明確にする必要があります。消費者は、よく分からないものにお金を出したりしません。これは月謝設定以前のお話です。 

                          

自信を持って提供できること

3-3でお話ししたように、自分が消費者に提供できる確かな自信を明確にしましょう。それはピアノスキルに限った事でなくても構いません。「お子様の目線に立てる」「子供のレッスンが得意」「大人の為の寄り添えるレッスン」など、約束できる提供内容を掲げましょう。大きな事でなくて構いません。約束できる事です。そして、その約束の価値が月謝になります。

人がお金を支払うということは納得がいっている証拠です。自分も納得のいくピアノ教室運営をしましょう。その価格に納得する消費者はいるはずです。

安い月謝設定にするマインド

3-2でもお話ししたように、お金をいただくマインドができていない場合もあるようです。事例をあげて解説します。

自信がない

相場より安くする先生がいます。これは自信のなさからくる現象だと思っています。「ボランティア精神でやっている!」というなら謝りますが、例えば相場¥8,000以下、¥6,000や¥5,000で教えている先生は本当に納得がいっているのでしょうか。まず「自分のコスト」を思い出して下さい。

生徒に選んでほしい

「この月謝で売れなかったらどうしよう」と心配になり月謝を安く設定する先生もいると思います。「安くすれば売れるのではないか」という安易な期待ですね。この誘惑にかられる時は、ぜひ一度しっかりと踏みとどまって、よく考えてみてください。もし、「安くすれば売れるのではないか」と考えるのであれば、逆にこう自問自答してみてください。「安いからに人気教室になれるのですか?」答えはおそらく違います。

実は逆効果、大きな間違い

月謝を安く設定することは逆効果の場合があります。人は安い商品を見た時に「何かあるから安いのかな」と疑うものです。訳あり商品というやつですね。「普通はちょっとでも高く売りたいのが当たり前なのに、これだけ安いということは、そうせざるを得ない理由が何かあるに違いない」そう見られることを、頭に置いておいた方が良いでしょう。

平田先生

相場以下の価格は、かえって逆効果です。

お金は感謝していただきましょう。頂けることは、あなたも頑張っている証拠なのです。

ピアノ教室の月謝設定のまとめ

月謝設定の方法と納得いただける解説をしてきました。ピアノ教室開講と同時に考えなくてはならない月謝設定、ポイントをまとめてみました。

ピアノ教室の月謝設定の決め方

  ・自分のコストを思い出し数字で書き出す

  ・教室のコストを考え、数字で書き出す

  ・自分の価値と、約束できる提供を書き出す

  ・ピアノ教室で起こりうる労力を考え納得のいく値段を考える

ピアノ教室とは価値の提供

ピアノ教室は物販ではありません。内容としては、スキル習得、理想の未来へ近づくお手伝い、時間の提供と考えて良いでしょう。それは価値あるものと思っています。

自信を持つことの大切さ

平田先生

ピアノの先生を応援しています!

ぜひこの記事を読んでいただき、少しでも自信を持って価値あるピアノ指導を広めて欲しいと思っています。

多くのピアノの先生が、誇りと自信を持ってピアノを指導されることで豊かになることを願っています。

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この記事を監修した専門家

平田みどりのアバター 平田みどり 絶対音感が身に付くピアノレッスン講師

ピアノ・リトミック教室HappyMusicのオーナー講師。4歳からピアノを始め、現役奏者の頃は年に100回近くのピアノ演奏、楽器店のミニコンサートへの出演などを行っておりました。
現在は千葉県柏市・我孫子市にあるHappy musicのオーナー講師として、リトミック、ピアノ講師として活動中。
幼稚園教諭免許・保育士免許・日本ジャックダルクローズ協会会員・リトミック認定講師資格・ベビーリズムマッサージ資格・ヤマハ指導グレード資格取得。

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