子どものさまざまな発達に効果のあるというリトミックですが、どのようなねらいがあるのかよくわからない方も多いと思います。
リトミックレッスンを受ける時のポイントとして、またリトミックを知るきっかけとしてぜひ参考にしてください。
リトミックの内容

リトミックの内容がよくわからないと、ねらいもピンときません。
始めにリトミックについて簡単に説明します。
リトミックとは
今から100年以上前、スイスの音楽教育家・作曲家、「エミール・ジャック=ダルクローズ」によって創案された音楽教育法です。
日本では既に明治時代に紹介され、山田耕筰も、ドイツ留学時にダルクローズのアトリエを訪れて、大きな刺激を受けたようです。
その後、日本において、リトミックは音楽教育だけでなく、舞踏(ダンス)、演劇、幼児教育、障害児教育などでも、応用・指導されています。
今ではリトミックは世界各国に紹介され、教育や音楽療法の分野で普及しており、わが国でも国立音楽大学、桐朋学園などで採用され、研究されています。
リズムを体で覚える
リズムを体で捉えることで、理解が深まります。リズム活動を多く盛り込み運動能力の発達も促します。
音楽を体で捉える
音楽を聴き、体で表現することで、音楽を体で記憶します。
この繰り返しをする事で、音楽を自ら表現するときの指針になり、より良い豊かな音楽活動が期待できます。
小さい頃の経験はとても重要な音楽の素地になります。
歌う、音感の習得(ソルフェージュ)
歌う事で音感を鍛え、音楽理解を深めます。
また、聴覚の発達が目覚ましい0歳から6歳までの音楽教育はとても有効であることがわかっています。
リトミックとは、音楽教育法であり音楽をあらゆる角度から感じ、それを必ず全身で感じる作業を繰り返しする事です。
リトミックのねらい
音の高低
音には「高い音」「低い音」があります。
いわゆる周波数の高さです。
リトミックでは高音は高い位置での活動、低音は低い位置での活動をするなど、体を中心として活動します。
これは子供にとってとても分かりやすい表現法でもあります。
ねらいは、高音、低音の持つ特有のパワーを感じる事です。
後に、鍵盤演奏に移行した時、高音、低音が右左になった時、高低としてすぐ受け入れられると言うメリットがあります。
これはリトミックを経験していないお子さんの場合、受け入れるまでに時間がかかります。
長調、短調の聴き分け
簡単に長調とは「明るい感じ」短調とは「暗い感じ」をいいます。
音階の持つそのニュアンスを感じ、自分の経験と重ね合わせ表現することで、音の気持ちがわかります。
ねらいは、音の狭まり、広がりを感じる事で音階が体で理解できます。後の音楽活動のソルフェ―ジュに役立ちます。
ニュアンス、ダイナミクスの表現

音の特徴、音域、広がり、狭まりを何度も体で表現します。
表現の中で子供たちはどんなものにも、なりきって表現しようとするようになります。
ねらいは、些細な音の変化にも気づき、細く音楽を分析できるようになります。
そして、感情のこもった音楽表現ができるようになります。
拍子感
ビートを感じられるようになったら拍子を捉えます。
これは楽曲を知る上でとても重要な事です。
ねらいは、拍子のまとまりを感じられること、すると演奏や楽曲理解が深まります。
リトミックには必ずねらいがあり、それは音楽を深く知るためにどれも有効なものばかりです。
ねらいの効果
ではねらいはどのような場面で効果があるのでしょうか。
音楽活動
もちろん音楽活動にはかなり効果があります。
「音の高低」をとってもそうですが、特に子供は経験したこと、目で見たことで成長していきます。
この経験と目で見たこととは、「感じ取れたこと」ということ。
実際に見えていなくても経験したことや目で見ようとした活動があったからこそ理解できます。
リトミックを受けたお子さんの音楽活動は目覚ましい成長が見られます。
ダンスや運動活動、語学にも
音楽的なセンス以外にも、音に合わせて体を動かすため身体的能力の向上にも役立つでしょう。
ビート感はまさに、体を動かす躍動力です。
リズム感の向上も運動活動に多いに役立ちます。
また、聴覚の成長期に聴き取る力をつけますので、語学習得にも良い影響がある事がわかっています。
楽譜理解

演奏することが良くなるだけではありません。
読譜理解が進んだ時、この音をどう表現するかをリトミックでの体の動きを思い出し当てはめます。
すると楽譜を見ただけで、音楽が想像できるようになり、理解スピードが上がります。
これはリトミックを経験したお子さんとそうでないお子さんに格段の差が出ることがわかっています。
平田先生効果は後に顕著に出てくることがわかりましたね。
ねらいをしっかり理解してリトミッンレッスンを受けることで、今後の音楽活動、ダンス、運動活動、語学習得にも影響が出てきます。
これは是非、効果を期待したいものです。
どれくらいの期間でねらいは達成されるか
ねらいを理解しリトミックレッスンを受けた場合、おおよそどのくらいの期間で効果が出てくるのかお話しします。
乳幼児の臨界期
臨界期とは人間の脳の発達の幼児期においてある刺激が与えられたとき、その効果が最もよく現れる時期のことをいいます。
臨界期に適切な刺激を与えておけば、その後成長してからもすぐにコツをつかむことができるので、技能の上達が早くなります。
言語や数学、音感、感覚などに臨界期は存在しており、その臨界期は6歳未満である事がわかっています。
つまりリトミックのねらいは6歳以降のさまざまな活動に影響してくるのです。
ねらいの効果で出始める時期
これまでお話ししたように、6歳以降の活動に影響が出てくる事がわかっています。
また、リトミックを習い始めてすぐでも、「音楽に合わせて体を揺するようになった」、「歌をよく歌うようになった」、「音楽を聴いて、感想を言うようになった」など、音楽への反応が目に見えてわかるようになったという結果もあります。
身につくかどうか
身につくかどうかは潜在意識が大切です。
潜在意識とは、日々の生活の中で自覚のないままに行動する際の意識のことです。
潜在意識には、生まれてきてから現在までのすべての記憶が蓄積されています。
例えば、歩いたり走ったりという行動は、必要に応じて自然と行なっていますよね。
これは、歩く、走ることが潜在意識の中に刷り込まれているためです。
また、自転車の運転や、スプーンやフォーク、箸の使い方などは、子どもの頃はうまくできずに何度も練習しますが、そのうちスムーズにこなせるようになります。
これは、意識的に行なっていた行動が潜在意識の中に刷り込まれていったということです。
リトミック活動もその時期に意識的に行った事が潜在意識の中に刷り込まれ、その記憶は今後、無意識レベルで活動を行えることになります。
ねらいの効果を早く感じたい方も多いと思います。
リトミックを習い始めてすぐに効果を目にしたりする場合、そうでない場合もあるかもしれませんが、効果は6歳を過ぎ、大人になってから潜在意識の中に刷り込まれるとは驚きですね。
まとめ


リトミックのねらいをご紹介し、その効果、効果が出る時期についてもお話ししてきました。
リトミックは音楽教育法で、そのねらいは音楽を体の中に染み込ませると言うこと。
ねらいは、音楽を体に染み込ませる事で、音楽を深く知ることができ、その後の音楽活動に多いに役立ちます。
また聴覚の発達が目覚ましい乳幼児期の音感教育は耳を育てるには最適の時期ですから、聴覚の成長を期待できます。
雀百まで踊り忘れず、と言うことわざがあります。
「若いときに身についた習性は、年老いてからも変わらないこと」と言う意味です。
リトミックのねらいの先にある効果はまさに「雀百まで踊り忘れず」ですね。














