リズム遊びとリトミックの違いとは。こどもにどう伝える?

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リトミックとリズム遊びは、どちらも「音楽やリズムに合わせて身体を動かす」という共通点があるため、同じジャンルのものとして捉えられがちです。しかしそれらは明確に違いがあります。簡単に言えば、リズム遊びは「楽しく遊ぶこと」が主目的で、リトミックは「音楽を通じた教育」が主目的です。しかしこの考えは指導者が思うことで、子供たちにはどちらも楽しい活動であると私は確信しています。つまり、どちらも楽しい活動として子どもたちにどう伝えるかが大切だと思っています。

平田先生

指導者の目的意識の持ち方が大切です。

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リトミックとは

    リトミックとは、スイスの音楽教育家エミール・ジャック=ダルクローズが考案した音楽教育法で、音楽と身体運動を組み合わせて子どもの感性や能力を育てることを目的としています。以下の4つの観点から詳しく説明します。

    基本理念

    リトミックの基本理念は、「音楽を身体で感じること」です。楽譜や理論を学ぶ前に、リズムや音を身体で体感することで、自然に音楽的な感覚を育てます。この方法は、聴覚、視覚、触覚を総合的に活用するため、感受性や創造性を引き出します。

    教育的要素

    リトミックでは、主に3つの能力を育成します。1つ目は音楽のリズムを身体で感じ取り、表現する力であるリズム感、2つ目は音楽を聴いて即興で動いたり、演奏したりする即興性、3つ目は音感や集中力、協調性など音楽の基本的な能力である音楽的基礎力です。これにより、音楽的な素養だけでなく、感情表現や集中力など生活全般に役立つスキルも養います。

    方法と活動

    リトミックには、音楽や動きを通じた多様な活動が含まれます。音楽のリズムやテンポに合わせて歩く、走る、止まるなどの動きを行い、音楽を身体で感じる身体的表現、 小さな打楽器などを使用してリズム感を養う楽器演奏、音楽を即興で作ったり、動きに合わせて歌を歌うことで創造性を育む即興演奏や歌などがあります。

    Screenshot

    対象年齢と効果

    リトミックは乳幼児から大人まで幅広い年齢層に適用できますが、日本では特に3歳から8歳の子どもに多く取り入れられていることが多いです。年齢や発達段階に応じたプログラムを通じて、様々な効果が期待されます。小さな子どもの場合、リズム感や協調性、体の動かし方を学べたり、音楽的基礎能力や集中力、創造性を深めることができます。大人では、音楽表現力やリラクゼーション、自己表現の向上が期待できます。

    リトミックは単なる音楽教育に留まらず、子どもの全人的な成長を促す教育法として世界中で活用されています。

    リズム遊びとは

    リズム遊びとは、音楽やリズムを使った楽しい活動のことで、子どもたちが自由に音や動きを体験しながら感性を育てる遊びの一種です。リトミックと異なり、教育的要素よりも楽しさや遊び心を重視しており、特に小さな子どもたちの間で親しまれています。以下、4つの観点から詳しく説明します。

    目的

    リズム遊びの主な目的は、音楽やリズムを楽しむことです。子どもたちが音楽を身近に感じながら、自由な発想で体を動かしたり、リズムに合わせて声を出したりすることで、自然と音楽に親しむようになります。学習のためというよりは、楽しい時間を過ごしながら、感覚や感性が刺激されることが重視されます。

    活動内容

    リズム遊びでは、音楽やリズムに合わせてさまざまな遊びを行います。例えば、手を叩いたり、ステップを踏んだり、身体を使った簡単な動作を取り入れます。さらに、楽器や小道具(タンバリン、マラカスなど)を使うことで、音を出す楽しさを体験できます。これらの活動は、子どもたちの好奇心や興味を引き出し、楽しい雰囲気の中で自然に展開されます。

    効果

    リズム遊びを通じて、子どもたちはさまざまな能力を養うことができます。例えば、リズムに合わせて動くことで、身体のバランス感覚やリズム感が育まれます。また、他の子どもたちと一緒に遊ぶことで、協調性や社会性も身につきます。このように、リズム遊びは子どもたちの成長にとって重要な役割を果たしますが、それが自然な形で行われる点が特徴です。

    対象年齢と環境

    リズム遊びは、主に0歳から就学前の幼児を対象に行われます。特に、親子で楽しむプログラムとして取り入れられることが多く、家庭や保育園、幼稚園などさまざまな場面で活用されています。また、特別な準備や専門的な知識がなくても、身近な道具や手拍子だけで簡単に実施できるため、どのような環境でも取り組みやすいのが特徴です。

    リズム遊びは、子どもたちにとって「遊び」として楽しめる一方で、音楽や身体活動を通じて多くの学びを提供してくれる柔軟な活動です。その親しみやすさから、音楽教育だけでなく育児や保育の現場でも広く取り入れられています。

    リトミックとリズム遊びの大きな違い 

    リトミックとリズム遊びはどちらも音楽を取り入れた活動ですが、目的やアプローチ、対象などに大きな違いがあります。それぞれの違いを4つの観点から詳しく説明します。

    目的の違い

    リトミックの主な目的は、音楽を通じてリズム感や表現力、集中力といった音楽的・身体的な基礎能力を育てることです。特に音楽教育の一環として、子どもの音楽的な成長を体系的に促すプログラムとして考案されています。一方、リズム遊びの目的は、音楽やリズムを純粋に楽しむことにあります。特に教育的な要素を意識するわけではなく、音楽に触れる楽しさやリズムを体で感じる喜びを自然な形で体験させることが重視されます。

    活動の構造性

    リトミックは、エミール・ジャック=ダルクローズによって考案された理論に基づき、しっかりとしたカリキュラムや段階的なプログラムに沿って行われます。具体的な目標が設定されており、音楽教育のプロセスが計画的に進められます。これに対して、リズム遊びは比較的自由度が高く、特定のルールや形式に縛られないのが特徴です。音楽に合わせて即興的に手拍子をしたり、楽器を鳴らしたりするなど、子どもたちが自分たちのペースで楽しめる活動が多く含まれます。

    対象年齢と適用範囲

    リトミックは幅広い年齢層に対応できるプログラムですが、特に3歳から8歳くらいの子どもたちに適用されることが多いです。また、音楽教育を目的としているため、専門的なトレーニングを受けた指導者が必要になる場合もあります。一方で、リズム遊びは乳幼児から就学前の子どもたちが対象となることが多く、家庭や保育施設などで気軽に取り入れられます。親や保育者が指導者を兼ねる形で行われることが一般的です。

    音楽教育との関連性

    リトミックは、音楽教育の一環として作られたメソッドであるため、音楽的な素養や技能の習得がその中心にあります。例えば、拍子感覚や音程の認識、リズムの正確性を高めることが目指されます。一方、リズム遊びは教育というよりも、音楽を介した遊びそのものを楽しむことが目的であり、音楽教育に直接結びつく内容である必要はありません。そのため、楽器の扱いや音程の正確さなどの技術的な側面よりも、自由な表現や楽しむ姿勢が重視されます。

    これらの違いにより、リトミックは教育的な意図を持った計画的な活動、リズム遊びは自由で遊び心に満ちた活動という、それぞれの特性がはっきりと区別されます。目的や状況に応じて、どちらを取り入れるかを選ぶことが重要です。

    子どもが楽しいと感じる音楽

    子どもが楽しいと感じる音楽遊びには、リトミックとリズム遊びの要素を取り入れることで、音楽への興味を引き出しながら成長を促すことができます。以下に、具体的な方法を4つ挙げ、それぞれ詳しく説明します。

    動きを通じて音楽を感じるゲーム

    リトミックの基本に基づき、音楽に合わせて動く活動は子どもたちにとって非常に楽しいものです。例えば、ピアノの音に合わせて「速いテンポなら走る」「ゆっくりなら歩く」といった動きを指示します。また、音が止まったら静止するといった遊びを加えると、緊張感と面白さが増し、子どもたちはゲーム感覚で楽しめます。音楽を聞き分けて即座に反応することで、集中力やリズム感が自然と育まれます。

    手作り楽器でリズム遊び

    リズム遊びでは、身近なものを楽器として活用することで、子どもたちの興味を引き出すことができます。紙コップや空き缶をマラカスにしたり、木の棒で叩いて音を出すなど、自分で作った楽器を使うと、より愛着を感じます。その楽器を使ってリズムを刻む遊びや、簡単なリズム模倣ゲームを行うと、音を出す楽しさを感じながら、リズム感や協調性も養えます。

    ストーリー仕立ての音楽活動

    子どもたちは物語に触れるのが大好きです。その特性を活かし、音楽を使ったストーリー仕立ての遊びを取り入れると、想像力を刺激しながら楽しむことができます。例えば、「動物園に行こう」というテーマを設定し、「象の足音は重いから低いドラムの音」「鳥は軽やかだから高いトライアングルの音」といった具合に、音や楽器で物語を表現します。子どもたちは自分の役割を音で演じることで、音楽の表現力と創造性を高めます。

    親子で楽しむリズムダンス

    リトミックとリズム遊びを組み合わせた方法として、親子でリズムに合わせて踊る活動があります。例えば、簡単なステップや手拍子を取り入れたダンスを一緒に行うことで、親子の絆が深まり、子どもたちは安心感を得ながらリズムの楽しさを体感します。また、親が楽しそうに踊る姿を見て、子どもも自然と参加するようになります。このような活動は特別な道具がなくてもできるため、家庭でも気軽に取り入れることができます。

    これらの方法は、音楽を遊びとして体験できるよう工夫されており、楽しさの中で自然と感覚や能力を育てることができます。それぞれの活動を状況や環境に応じて取り入れることで、子どもたちの笑顔が広がる音楽体験を提供できます。

    まとめ

    リトミックとリズム遊びはそれぞれ役割が違うということと、両方の楽しさを子供にどう伝えるかをお話ししてきました。簡単にまとめてみます。

    リトミックとリズム遊びの違い

    リトミックは音楽教育の一環として体系的に行われるもので、音楽やリズムを通じてリズム感や表現力、集中力を育てる教育的な活動です。一方、リズム遊びは音楽やリズムを楽しむことを目的とした自由な遊びで、特に教育的な目標を重視せず、子どもたちが楽しく音やリズムに触れることを目的としています。簡単に言えば、リトミックは「教育」が主目的で、リズム遊びは「楽しさ」が主目的です

    子どもが楽しいと感じる音楽との付き合い方

    子どもが楽しいと感じる音楽との付き合い方は、「自由に楽しめる環境を作ること」が大切です。リズム遊びや歌、ダンスなどを通じて、身体を動かしながら音楽に触れる機会を与えると、自然に興味が深まります。楽器を自由に触らせたり、親子で一緒に歌ったり踊ったりすることで、音楽が楽しい体験として心に残り、音楽との良い関係が育まれます。

    子どもにとって楽しい音楽との触れ合いは、とても大切でその後の活動に大きな影響を与えます。したがって指導者は、工夫し子どもがわかりやすく楽しい音楽指導をすることが重要と言えます。

    私は千葉県柏市でピアノ・リトミック教室をやっています。

    皆さん、いつもブログをご覧いただきありがとうございます。ここでは、私たちが心を込めてお届けする。HappyMusic ピアノ・リトミック教室の魅力をご紹介します。私自身がこの教室の代表として、音楽の楽しさや上達の喜びを実感しているからこそ、皆さんにもその素晴らしさを知ってほしいと思っています。

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    この記事を監修した専門家

    平田みどりのアバター 平田みどり 絶対音感が身に付くピアノレッスン講師

    ピアノ・リトミック教室HappyMusicのオーナー講師。4歳からピアノを始め、現役奏者の頃は年に100回近くのピアノ演奏、楽器店のミニコンサートへの出演などを行っておりました。
    現在は千葉県柏市・我孫子市にあるHappy musicのオーナー講師として、リトミック、ピアノ講師として活動中。
    幼稚園教諭免許・保育士免許・日本ジャックダルクローズ協会会員・リトミック認定講師資格・ベビーリズムマッサージ資格・ヤマハ指導グレード資格取得。

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