リトミックは効果ない?そう思う原因と、本当のリトミックの効果
「リトミックは子供の音楽教育で良いらしい」とは聞くけれど、効果ってあるの?そんな風に思っている方、また実際リトミックに通われたけれど効果を感じなかった方に向けてお話をしていきますね。これからリトミックを習おうと悩んでいる方や、習ったけれど効果が見えず後悔している方はぜひ読んでみて下さい。
リトミック講師の私が解説します!
リトミックは効果ない?そう思う原因
実際リトミックをしたけれど効果を感じなかった、そんな方の原因を考えてみました。当てはる箇所があるはずです。「効果がない」と感じたのにはそう思う原因があります。
子供のイヤイヤ期にかぶる
リトミックを習う時期で多いのは1歳から3歳くらい。ちょうどこの時期はお子さんのイヤイヤ期で大変な時期でもあるのではないでしょうか。また、人見知りが強い子、場所見知りなど。思っているようにいかない時期でもあります。また低年齢ということから体調を崩しやすく、レッスンに定期的に通えない、などの予定通りいかない時期でもあります。
思うようにいかないイライラが・・・
音楽的な成長を見せてほしいのに・・・
リトミックは「音楽教育」と聞いていたのに、演奏が上手になったわけでない、音符が読めたわけでない、など大人が考える「音楽教育」のイメージとはかけ離れているかもしれません。結果が見えないと効果を感じられないのは無理もありません。
保護者がのれていない
親子で参加することがほとんどのリトミックでは、保護者の協力のかなり必要です。保護者があまり人前での表現が好きではない、恥ずかしい、などと思っていると、「バカバカしい・・・」なんて思ってしまうかもしれません。
リトミック講師の問題
1-3でお話しした保護者がのれていないもありますが、これは講師立場でも考えられます。講師のレッスンへの熱量、子供を楽しませるエンターテイメント性が不充分な場合、それは楽しくなく、身にはいらないレッスンになってしまうことが考えられます。子供の扱いが得意、レッスンアイディアが豊富、などの講師だった場合、結果は変わっていたかもしれません。
当てはまる部分はありましたか。私は「リトミック」という教育法に効果がないのではなく、受ける側の考え方や状況で効果は変わるのでないかと思っています。
リトミックの効果
では、リトミックで得る事ができる効果をご紹介します。
リトミックは音のエネルギーを感じる作業
音楽は音階やリズムが集まりつくられるエネルギーの集まりです。それをリトミックでは体で表現します。表現はスペースを使い、時間の経過とエネルギーを感じます。これを繰り返し表現することで音楽を体の芯から理解することになります。
全てに意味がある
子供向けの絵本でも、ストーリーのないお話や訳のわからない絵だけが書いてあり、「どこがおもしろいの??」というのに、子供はすごく楽しそうに笑っていたりして、 何度も読んで(みて)いることもよくあります。それだけ、子供たちのもっている感性は、理屈(特に大人の持っているもの)ではいえないものがたくさんあります。
限りない感性を養える
人間であれば感性は誰でもあります。感性には「人の気持ちを感じる力」、「芸術性」、「流行を感じる力」、「インスピレーション」などがありますね。では、感性を磨くには、一体、どうすれば良いのでしょうか?それは、色々な音楽を聴いたり、物や風景を見たり、食べ物を食べたり、様々な経験の中で心と体が感じ取った事で育ちます。見たり聴いたり味わったりした思いをただ素通りしてしまうのではなく、出来るだけ感じて表現する、感じたことを表現することで心と体を統一させていく、感性を磨くにはとても大切な事です。
ニュアンスを感じる能力が格段に上がる
人は音やリズムによって何らかの反応を起こします。楽しい音楽は明るい気持ち、穏やかな音楽は癒しの気持ち、暗い音楽は寂しく沈んだ気持ちにさせます。
そして感じたことを心の中だけにとどめず身体で表現することで、喜怒哀楽とはこういうものかという概念が幼児にもだんだんわかるようになってきます。そして楽器を演奏したり歌を歌う時に、感情のニュアンスを音で表現できるようになります。
自己肯定感が上がり、気持ちが良くなる
丸をもらったり級をあげる習い事ではないリトミック。つまり思いっきり自分を表現できるリトミックは、認められる習慣と音楽のエネルギーを感じる気持ちよさに満たされる習い事です。もちろんリトミックは音楽教育法ですので後の音楽活動にはかなり有利です。
リトミックで得られる効果を知ったら、それは目には見えにくい、心の教育であることがわかったと思います。
リトミックをしていた子、していない子の明らかな違い
でもリトミックをしたからには、目に見える結果も欲しいと思うものも当たり前です。
現役ピアノ講師の私が日々のピアノレッスンで感じるリトミックをしていた子、そうでない子の圧倒的な違いをご紹介します。
音への捉え方が立体的
通常、ピアノレッスンを始めると椅子に座り楽譜を見て演奏をしていきますよね。人間は視覚の情報が先行すると想像が疎かになる傾向があります。楽譜を視覚的に見てしまうとそれ以上の表現にたどり着くまでに時間がかかります。また小さな子供は経験も浅く、音楽表現を深くすることはなかなか難しいです。しかし、リトミックを経験してきたお子さんは、すでに音の捉えたかに経験を積み重ねています。体を使って音を表現していたので、それは立体的でエネルギーがあります。また、音楽を理解することが明らかには早いです。
音楽への「自主性」が明らかに違う
リトミックをしていたお子さんは、演奏をする時、体で捉えます。リズムやビートを率先して体で分かろうとします。譜面では分かりにくいリズムパターンなど、「まず動いてみて良い?」と子供自身から申し出てくる子もいます。体で覚えた方が早いということなんでしょうね。音楽への自主性に違いが出てきます。
音楽講師にはわかる
以上のことから、「リトミックをしていた子」は講師にはわかるものです。何が正解ではありませんが、上述した事ができるという事は音楽活動には有利であり、自身も楽しいのではないでしょうか。この能力を楽しんで身につけられるのは幼児リトミックの利点だと思います。
リトミックの効果は、ピアノ講師には分かります。そして何より無意識でお子さんが音楽を楽しめているという事は、リトミックを経験した大きな効果ではないでしょうか。
長い目で見てほしい
リトミックとは効果が見えにくいものであることは変わりありません。その上で、どうリトミックを続けるか、またどうしたら納得がいくのかをお話しします。
すぐに結果を求めないで
リトミックとは今すぐに演奏が上達する、読譜ができるなどの結果は出ません。しかし3でお話ししたように、その感性的な音楽の捉え方はリトミックをしてきたお子さんとそうでないお子さんでは違いは出ます。例えば「優しい子になってほしい」と思って育てて、その効果はいつ出ますか?ふっとした場面で垣間見える事だと思います。リトミックも同じで音楽への素地を作ることで、音楽のふっとした瞬間に現れる才能だと思っています。
長い目でコンスタントに通う
小さなお子さんが定期的に習い事に通うという事はお子さん、保護者も相当な努力のおかげだと思っています。リトミックは続けて何度もレッスンすることで体に染み付きます。またそれは人間形成の素地となり、なくなることはありません。1回、2回のリトミックで結果を求める、効果がないと決めるのは早すぎると思います。
無理はしないで欲しい
1でお話ししたように乳幼児期の習い事は、大変な場面が多くあることは確かです。またそれを行うのは保護者のご苦労だということもよく分かります。どうか、頑張りすぎるが故に「辛い」「大変」などが先行するリトミックにはならないようにして下さい。大切なのは親子の楽しい時間です。
「今しかない」その時期を大切に
親子一緒に行うリトミック。長い人生のほんの一瞬である事は後に気づく事です。「楽しかったな」と思える子育ての中にリトミックがあって欲しいと思います。
無理をしてまでして習うリトミックでは「効果がない」結果になりかねません。どうか親子の時間と楽しいと最優先して下さい。
子供と一緒に関われる時間を大切にするんですんね!
リトミックは効果がない?のまとめ
リトミックは効果がない?をまとめてみました。
リトミックは効果がない?と思う原因
リトミックをする時期は乳幼児期いうこともあり、レッスンが思い通りいかないことが原因の1つにあると思います。また音楽で体を動かす、表現するリトミックでは、それをあまり得意としない保護者やお子さんはうまくのれないかもしれません。またリトミック講師のやり方やカリキュラムも大きく影響しているかもしれません。
リトミックの効果
リトミックは多くの効果が実証されています。しかしその効果を数値化したり目で見ることは難しい事は確かです。リトミックが長い目で見てお子さんの音楽活動の助けになることを願い、習って頂けたら良いと思います。
子育てに大切こと
子育て期に習う場合が多いリトミック。そのリトミックの効果についてお話ししてきましたが、大切な事は「子育てを楽しむ」事です。無理をしてまでのリトミック、習い事では本来の効果は得られません。
ここまで、リトミックには効果がない?のお話しをしてきました。心当たりがあった方や、これからリトミックを始めようと思っている方の参考になれば良いです。