耳の良い人は要注意。音が半音ズレて聴こえる?!何が起こっているの?!絶対音感が関係してるの?
ある日、突然、いつも聴いていた音が違って聴こえる?!という症状があることをご存知ですか。また、今この記事を読んでいる方の中で、自分の耳の違和感に、何が起きているのか不安な方、どうかこの記事を読んで少しでも改善へと向かうことを願い、私が以前、突然聴覚に違和感を感じた時の事を踏まえお話しさせて頂きます。
音がいつもと違う!考えられること
いつも聴いていた音と違う?!こんなふうに感じる事がある方に、考えられることをご紹介します。
低音障害型感音難聴
低音障害型感音難聴は、一般的には音の高音域に比べて低音域の聞こえが悪くなる難聴の一種です。これは、内耳の蝸牛内の毛細胞が特に低音域の音に敏感でなくなることによって引き起こされます。この状態では、通常、高音域の音は比較的良く聞こえる可能性がありますが、低音域の音が不足して聞こえたり、歪んだりすることがあります。この種の難聴は、年齢や遺伝、または特定の疾患や外傷によって引き起こされることがあります。
軽度の難聴
軽度の難聴は、音がやや静かである場面や、騒がしい環境での会話や音楽を聞き取りにくい程度の難聴を指します。通常、軽度の難聴の人は、会話の一部や細かい音のニュアンスを聞き逃したり、特に騒がしい場所では会話が難しく感じたりすることがあります。軽度の難聴は、耳の構造の問題、加齢、騒音の影響、または疾患などによって引き起こされることがあります。
ディップ型感音難聴
ディップ型感音難聴は、特定の周波数帯域で聴力が低下する感音難聴の一形態です。名前の由来は、聴力の減少が特定の周波数帯域で「ディップ」(低下)することにあります。通常、ディップ型感音難聴では、特定の周波数帯域での聴力が他の帯域に比べて著しく低下しています。典型的な例としては、音楽や会話の中で重要な周波数帯域での聴力低下が挙げられます。
薬の副作用
フラベリックという咳止めやテグレトールという、抗てんかん薬で、音程が半音低く聞こえるという現象が起こることがあります。文献的な報告は少ないのですが、音楽家や絶対音感のある方が気付くことが多いようです。薬の添付文書にも、頻度不明ながら聴覚異常(音感の変化等)が副作用として起こることがあると、記載されています。まさに私が体験した聴覚異常はこの薬の影響でした。
私が実際経験しました。辛かった・・・
聴覚が良い方が「いつもと違う」と思ったなら耳の病気や薬の副作用を疑って下さい。私はそれを経験したので、音のズレがどれだけ苦痛なものかわかります。まずは原因を知ることが大切です。
音が半音ズレる。どんな世界
いつも聴いていた音が違って聴こえる、耳の良い方には耐え難い世界です。どんな感じなのか、実体験を踏まえてお話しします。
なんとも気持ちが悪い世界
身近の人の声がいつもと違う、家電のモーター音が違う、アラームやサイレン、効果音も全部違う、気になり出したら全てが違う、私にとってはノイローゼになるような気持ちでした。気になり出したらそれは止まらず、原因が分からない時の自分は、他の人に度々「何で、いつもの音じゃないの?」と問いていました。
音楽活動に支障が出る
音が全て違う音に聴こえるわけですから、音楽活動においても支障が出ました。耳では違う音を認識しているのに、ズレている音名を歌う、弾く事(ピアノ)をするしかないことに違和感しかありませんでした。
煩わしさがずっと続く
例えると、見えていたものが見えない、ぼやけると言う感じ。もしくは、違うものに見えてしまうくらい、脳はパニックを起こします。例えば長年の記憶からそこにあるのは水のはずなのに、いざ飲んでみると牛乳だった、くらい衝撃的です。「え!?なぜ?!」という気持ちと、煩わしさが続きます。
治るまでの時間
上記の述べた原因にもよりますが、一般的に、一過性の感音難聴は、薬物の影響や騒音などの一時的な原因によるものであれば、数日から数週間で改善する場合があります。しかし、低音障害型感音難聴の場合、慢性的な状態や永続的な変化が起こっている可能性があります。治癒にかかる時間は、症状の重症度や原因によって異なります。
「いつもと違う」がこんなにも違和感がある事を、身を持って経験しました。同じような症状がある方の辛さ、よくわかります。
治療法はあるの?
自分だけが変なんだ、と悲観せず、耳鼻科に行き相談してほしいです。
音感難聴の治療法の例
- 補聴器の使用: 聴力の低下を補うために補聴器を使用することがあります。補聴器は、外部からの音を増幅し、聴力の補正を行います。特に低音域の聴力低下がある場合には、適切な補聴器が選択されます。
- 聴覚リハビリテーション: 補聴器の使用や聴力低下に関する理解を深めるために、聴覚リハビリテーションプログラムに参加することが役立ちます。これには、音声理解能力の向上やコミュニケーションスキルの改善が含まれます。
- 音響療法: 一部の患者には、音響療法が有効な場合があります。音響療法では、特定の音や周波数を用いて聴覚システムを刺激し、聴力の改善を促すことが試みられます。
- 薬物療法: 一部の場合、特定の薬物が感音難聴の症状を軽減するのに役立つことがあります。例えば、ステロイドや血管拡張薬が処方されることがありますが、その有効性は個々の状況によって異なります。
- 手術: 重度の感音難聴や内耳の構造的な問題がある場合には、手術が必要な場合があります。手術は特定の症例に対して行われ、聴力の改善を図ることがあります。
慣れていくことを願って
治療方法の例をお話ししましたが、難聴や音のズレが改善しない場合、それはその音で慣れていかなくてはなりません。私の場合、結局、薬の副作用でしたので、治療もなく、ただ治るのを待つだけ。本当に治るのか不安になったこともあります。しかし、その音に慣れていかなければストレスになります。音を「いつもの音」と決めつけず、聴き流すことで少しずつ慣れていきました。
焦らず付き合っていく
焦らず、その「音」と付き合っていくことが大切です。人間の五感とはすごいもので「聴覚」「視覚」「味覚」「嗅覚」「触覚」これらの五感は、人間が外部の環境を把握 し世界を理解するための主要な手段です。その「聴覚」に異常を感じた衝撃は大きいです。しかし、回復を願い焦らず付き合ってほしいと思います。
聴覚の異常はなかなかわかってもらえないものです。ですから。つい我慢してしまったり、打ち明けられなかったり。ぜひ、異変を感じたら病院に相談して下さい。
絶対音感をもっている人だけがなるの?
私は絶対音感をもっていません。しかし「半音ズレ」経験者です。どんな人がなるのか考えてみました。
聴覚に敏感な人は感じる
音に敏感な人は、音をかなりの精度で記憶していると考えます。ですから普段は全く気にしていない方でも、そうなった時に気づく方もいると思います。もちろん絶対音感保有者が何らかの原因で発症した時、100%不便に感じると思います。
相対音感保有者もなる
前述したように、私は絶対音感をもっていません。しかし相対音感をもっています。相対音感とは基準の音に合わせ、音の幅がわかる能力です。つまり半音ズレてもその音を基準に修正すればいいのでは?と私自信思いました。しかし、そのズレは修正できず、正しくない半音ズレは私にとって苦痛でしかありませんでした。
同じ症状の人(悩み)はいる
薬の副作用の場合、徐々に治っていきます!
私の場合ですが、薬の副作用による音感難聴(半音ズレ)は、病院に相談したところ、薬の副作用であることは分かりましたが、実際の患者さんを見たことがないとのことでした。絶望する中、ネット検索するとチラホラ同じ症状の方を見かけました。少しホッとしました。ですから、今この記事を読んでいる方の中で音感難聴を経験している方に、少しでも不安を軽く出来たらと思っています。私の場合(薬の副作用)、1ヶ月ちょっとで完全に半音ズレは解消し、今では全く症状は出ていません。
音が半音ズレて聴こえる?!まとめ
耳の良い人にとって、聴こえていた音が違う、聴こえにくいのは大きなストレスになります。原因の一例と症状が出やすい人、治療法や治癒までの期間をまとめてみました。
音が半音ズレて聴こえるようになる原因
音感障害、難聴、薬の副作用が考えられます。原因は耳の構造の問題、加齢、騒音の影響、薬の影響、年齢や遺伝、または特定の疾患や外傷によって引き起こされることがあります。
どんな人がなるの?
「耳の良い方」がなると考えられます。それは絶対音感所有者だけではないということです。つまり、普段は耳の良さを実感していない方でも、症状が出た時に初めて感じる方も多いにあるということです。
治療法、治癒までの期間は?
補聴器、聴覚リハビリテーション、音響療法、薬物療法、手術などがあります。治癒までには一般的に、数日から数週間で改善する場合があります。しかし症状の重症度や原因によっては、慢性的な状態や永続的に変化が起こっていく場合があります。
半音ズレ、音感難聴、耳の聴こえに違和感を感じている方の不安とストレスが少しでもなくなることを願っています。