絶対音感があると困ること3選.絶対音感がある人の気持ち。
絶対音感とは、他の音と比べなくても、突然きこえた音の音名が分かる能力のことです。
音を聴いたとき、その音がどの音であるかを聴き分けることができる絶対音感。持ってない人は憧れを持ってしまいます。絶対音感保有者の見えている世界はどういったものなのでしょうか?困ることってあるのでしょうか解説していきます。
絶対音感、いいな!と思う反面、苦労もあるようです。
絶対音感をもっている方の割合
絶対音感をもっているという方は周りにいますか?絶対音感は生まれつきのものという研究結果もありますが、後天的に訓練し身につけられるものでもあります。まずは絶対音感を持っている方がどのくらいいるか、お話ししますね。
生まれつきの場合
生まれつき絶対音感をもっているという方は20万人に1人と言われ、割合は0.0005%ほどと大変珍しい才能である事がわかっています。これは生まれつきの場合であることを覚えていて下さい。
楽器演奏を専門にしている方や、音大生の場合
音楽を専門として日常的に行っている方や、音楽学生であれば大体5~6割の人が絶対音感を持っている、と言われています。これは幼い時から継続的に音感教育を行い聴覚が発達していることから言えます。
一般の方の割合
一般の人で絶対音感を持っている割合は、大体3%くらいと言われています。100人いれば3人は絶対音感を持っている人がいるということですね。これは、幼い頃、音感教育を受けた、ピアノを習っていたなどの経歴がある事が、ほとんどで、絶対音感は聴覚の発達時に何らかの音感教育の習慣を行っていたと考えられます。
絶対音感は長い間、そのめずらしさと、身につける方法が分からない時代も長く、今でも「神秘的」に思われることが多いですよね。絶対音感をもっているとかっこいい、羨ましいと思うのも確かです。
ドレミ・・・音名に聴こえる
では、絶対音感をもっている人はどんな困った日常を過ごしているのでしょうか。
歌詞が頭に入ってこない
音(音楽)は音名に変換して理解できるがゆえ、歌の歌詞の他、音名も同時にわかります。したがって歌詞だけに集中できない時があります。ですから歌詞付きのポップスを聴くときはどちらを聴きとるか無意識に集中してしまうこともあります。
聴き流せるが、聴いてしまいがち
聴きとり方に集中することが多いです。気にしなければ、と思っていますが、基本的に音名は瞬時にわかっているので、疲れることもしばしばあります。
歌を歌う自分の声が嫌だ
絶対音感をもっていることと、発声は別問題です。カラオケなどで自分の声が外れたりうまく歌えないとガッカリします。。。
絶対音感をもっている人は、突然きこえた音が音名で分かります。気になり出したり、聴いた音が違っていることにストレスを感じやすいことは確かです。
「絶対音感」をもっていると言われる言葉にイラっとする。
「絶対音感」は珍しいと思われているからこそ、周りから言われる言葉に戸惑うこともあるようです。
「なんでもドレミに聴こえるんでしょ?」
確かにクリアな音は音名に聴こえますが、生活音のような混ざり合った音ははっきりとした音名がわからないことはあります。「絶対音感がある」というと、手を叩いたりして、「音名を当てて」などという方がいますが、混ざり合っている音は難しい場合があります。
「歌、上手いんでしょ?」
絶対音感能力と、発声能力は別問題です。しかし、なぜか絶対音感があると歌もうまいと勘違いされることが多いようです。上述したように、自分の歌声に嫌になることもあるくらいです。
「ピアノ上手いの?」
歌ウマ問題と一緒で、絶対音感があると、音楽家としても完璧と思われることがよくあるようです。しかし、これも歌と一緒で演奏技術は別問題です。
絶対音感をもっていると、音楽においてのスーパーマン的に思われがちですが、それは完璧なものではありません。それなのに聞かれて「いいえ」と答える絶対音感保有者は気が重いようです・・・
街中に溢れる困ること
聴覚は、スイッチを切ることができません。聴こえてきた音を無意識に処理してしまうと時、疲れはて困ってしまいます。
2つ以上の音楽がなっている時
あっちから、こっちから音楽がなっていると情報量が多く気持ちがわるいです。ゲームセンターなどは様々な音が行き交い、頭が混乱してしまいます。
よく知っている曲をカラオケで移調(キーを変えて)歌われること
好きな曲や、馴染みのある曲を移調して歌われたり演奏されたりすると、「いつもと違う」とプチパニックを起こします。笑 へんな感じがしてなかなか聴き慣れません。
不協和音が気持ち悪い
「不協和音」とは、「粗雑感があり心地よく聞こえない2つ以上の音のこと」をいいます。反対に、「心地よく聞こえる2つ以上の音のこと」を「協和音」といいます。音の重なりは、この協和音と不協和音のどちらかに当てはめることができます。
でお話したように、調和が取れない2つ以上の音(不協和音)が混ざり合うと、それは聴き取りにくく、気持ちが悪いです。
聴き取れるからこそ、街中にある気持ちの悪い音のぶつかりなどは気持ちが悪く感じてしまいがちです。基本的に普段は「絶対音感」は発動させませんが、どうしても無意識に音名がわかるが故に、気になり出してしまうことがあるようです。
絶対音感があると困ること
絶対音感があると困ることもあったんですね。簡単にまとめてみました。
音は遮ることができないので、苦しい場面もありますよね
困ることのまとめ
無意識に音名でわかってしまうため、気になり出すとぬけられなくなってしまうことも。また周りの方から「絶対音感保有者」がためにハードルが上がったり、無理難題を出題されたり、期待されたり・・・。その他、街中に溢れる音に敏感に反応してしまい、気持ち悪くなってしまうこともあるようです。
絶対音感をもっていても全く不便ではありません。
ここまで、絶対音感があると困ってしまうことについて、取り上げてきましたが、ほとんどは意識するか、しないかの問題のレベルです。音が的確にわかることは、物差しを持っていなくても測れるという便利な能力ですから、「絶対音感」は便利な能力であることは確かです。困ることとは、音を測れてしまうからこそ、気になってしまうということなんですね。
絶対音感をもつ方の世界をのぞいてみた感じがしました。絶対音感をもっている人はうまく音と付き合って生きているのだな、と思いました。