絶対音感のデメリットとは?結局のところ何がいいの?
絶対音感とは、他の音と比べなくても、突然きこえた音の音名が分かる能力のことです。
音を聴いたとき、その音がどの音であるかを聴き分けることができる絶対音感。持ってない人は憧れを持ってしまいます。私は絶対音感を持っていませんが十分音楽を楽しんでいます。「絶対音感はすごい」と思われがちですが、何がすごくて、どんなデメリットがあるのか?音楽を楽しむためには何が重要なのかを詳しく解説していきたいと思います。
絶対音感って「すごい」イメージがあるけど・・・
絶対音感のデメリットは?
絶対音感を持つことは多くのメリットがありますが、デメリットもいくつかあります。
調性感を感じにくい
個々の音名で理解できるため、調性を感じにくいことがあります。例えるなら、料理を食べる時、味覚で1個1個の食材がわかってしまい際立ってしまい、料理自体がなんなのかわからないような感じとでも言いましょうか。(かなり極端な例えですが)
移調、度数の感覚が薄い
絶対音感を持つ人は、個々の音程に強く結びついているため、移調感や、その調の中の何度にいるかの認識が薄くなる傾向があります。また移調楽器(例えば、トランペットやクラリネット)の演奏や聴き取りに困難を感じることがあります。
音が音名で理解できるため、わずらわしい場合がある
日常生活の中で、音楽以外の環境音やノイズに対しても過敏に反応することがあります。これにより、集中力が乱されたり、ストレスを感じたりすることがあります。
絶対音感は非常に特殊な能力であることから「すごい」で済まされがちですが、その価値を持つ一方で、デメリットもあることも事実です。
絶対音感は最強なわけではない
絶対音感は素晴らしい能力ですが、それが「最強」とは限りません。音楽における能力は多様であり、絶対音感だけでは補えない側面も多くあります。
相対音感の重要性
音楽においては、音と音の関係性、つまり相対音感が非常に重要です。相対音感は、和音、メロディ、ハーモニーを理解し、即興演奏やアンサンブルでのコミュニケーションを円滑にする能力です。絶対音感があっても、相対音感が発達していないと、音楽の全体像を把握するのが難しくなることがあります。
聴き取れても、演奏、歌唱の上達は別問題
絶対音感は正確に音を理解できる素晴らしい才能ですが、演奏技術的に優れているか、音楽の創造性や表現力とは必ずしも直結しません。音楽の深みや感情を表現するには、相対音感やその他の音楽的センスが必要です。
「音当て上手」がすごいわけではない
絶対音感を持つ人は、特定の音に強く結びついているため、移調された曲に適応するのが難しいことがあります。相対音感を持つ人は、音の関係性に基づいて曲を理解するため、こうした場面での適応力が高いです。音を1音1音当てることは音楽性とは別問題だったりします。
絶対音感は音楽の中で非常に有用なスキルですが、音楽において最も重要なのは、多様な音楽的能力とそのバランスです。相対音感や創造性、表現力などが組み合わさることで、真に豊かな音楽が生まれます。
音楽で大切なこと
音楽で大切なことは、様々です。音楽で特に重要とされるいくつかの要素を紹介します。
音のニュアンスを感じること
音楽は感情を伝える強力な手段です。技術的に完璧な演奏であっても、感情がこもっていないと聴衆に深い印象を与えることは難しいです。音楽を通じて喜び、悲しみ、愛、怒りなどさまざまな感情を表現し、聴く人の心に響かせることが重要です。
音楽のエネルギーを感じる
音楽はエネルギーで出来ています。それは人の感情、身体を動かすエネルギーです。御bがくを聴いた時、どんな風に動きたいか、心がどんなふうに動いたかを感じるようにしています。これが演奏の場合、私は、まず音楽を聴いて、その「音」で身体を動かしてみるようにしています。するとどんな音楽になるかが想像できます。音楽はまず身体で経験することが大切だと思っています。
変化を感じること
音楽を聴くとき、演奏する時、変化を感じなければなりません。その変化にはどんな意味があるのか、なぜ変化したのかを考える必要があります。例えば、物語でもハッピーから始まり、ハッピーが続き、ハッピーで終わると、退屈です。音楽にも物語のような変化が仕組まれていることがほとんどです。その変化に気づき、感じることで音楽が楽しくなります。
ビート、リズム、音階、調性を理解すること
音楽は、音名を知ることのほかに様々な理解が必要です。それはビート、リズム、音階、調性理解などです。音名が正確にわかる絶対音感を持っていると、これらの1つが正確に理解できるという素晴らしい効果が発揮できます。しかし、それだけではないということです。
音楽で大切なことは、才能や、正確に演奏することだけではなく、感情や創造性を持って音楽に取り組むことです。音楽は心の表現であり、他者とつながる手段でもあります。自分の感情や思いを音楽に込め、聴く人と共有することで、音楽の本当の魅力が生まれます。
絶対音感、持っていて損はない素晴らしい才能
絶対音感のデメリットをお話ししてきましたが、メリットの方が多いことは確かですし、素晴らしい才能です。
持っていた方が良いことは確か
絶対音感は持っているに越したことはありません。それは音を正確に認識できることは必ず音楽には有利だからです。絶対音感は幼児期に習得することができます。音感教育の早期化は必ず有利にまります。
音楽活動には絶対に有利
音楽をするには音がわかる能力はなくてはならない条件です。絶対音感があれば、絶対的に音がわかるわけですから、とても便利であり有利な才能です。絶対音感を持っていると、音楽を聴いたり演奏したりする際に音の高さを即座に認識できるため、楽譜を読むのが簡単になったり、耳コピが上達することがあります。また、音を正確に把握できるので、作曲や編曲をする際に音の選択や配置が簡単になります。
人の聴覚の素晴らしい才能の1つ
絶対音感は聴力の素晴らしい才能の1つです。絶対音感は生まれつきではなく、幼少期の音感教育でつけることができます。持っているに越したことはありませんので、幼児期にトレーニングをし、能力を習得するのも良いですね。
絶対音感は決して良くない能力ではありません。むしろ、素晴らしい才能の1つで、これを有効に使ってほしいです。
絶対音感のデメリットのまとめ
絶対音感のデメリットについてお話ししてきました。簡単にまとめてみます。
デメリットとは
勘違いしてほしくないのは、絶対音感のデメリットとは、絶対音感があることによって考えられる弊害的なことであり、絶対音感があるとダメなことではないということです。絶対音感があると、1音1音が確実に理解できるため、前後の関係性を感じることが薄くなると考えられますが、これも音楽を総合的に習得していけば克服できます。
音楽で大切なこと
音楽は、音当てゲームではなく様々なニュアンス、エネルギーを感じることが何より大切です。ですから、「絶対音感が最強」というわけではなく、総合的に音楽を学習することが大切だと思います。音を正確に理解できる面では絶対音感は「最強」とは言えますね。
絶対音感は持っていて損はない
絶対音感は聴覚の素晴らしい才能です。音を正しく認識できるこの能力は、持っているに越したことはありません。絶対音感は音楽において非常に有効なスキルですが、日常生活や他の音楽的なスキルとのバランスを取る必要がある場合もあります。それでも、総じて言えば、絶対音感を持つことで得られるメリットの方が多く、持っていて損はないと考えられます。また、絶対音感は幼児期のトレーニングで習得可能です。絶対音感を身につけたいなら幼児期の音感教育は重要です。
絶対音感のデメリットは、「音を正確に当てられる」ことだけが音楽ではない場合の弊害という意味でお伝えしてきました。絶対音感があっても音楽を総合的に学習することで、絶対音感はとても有利になります。