ピアノ演奏、緊張しない方法とは?緊張するメカニズムと対処法とは。

ピアノ演奏、緊張しない方法とは?緊張するメカニズムと対処法を解説した画像

人前でのピアノ演奏、ピアノ発表会、コンクールなど緊張しますよね。人はなぜ人前で演奏する時緊張するのか?また緊張を和らげる方法や、失敗しないための日々の練習方法をお話ししていきます。

緊張しない方法を知りたいわ。

タップできる目次

そもそもなぜ緊張するのか

ピアノ演奏に限らず、人前で何かを発表したり披露したりする場面では、誰でも緊張するものですよね。これは、人間が本来持っている「闘争・逃走反応」と呼ばれる本能によるものです。

闘争・逃走反応

私たちは、危険を感じると、交感神経が活性化され、心拍数や呼吸数が上がり、筋肉が緊張します。これは、闘ったり逃げたりするために必要な反応です。しかし、発表会などの場面では、実際には危険はありません。にもかかわらず、脳は「人前で演奏する」という状況を危険と判断し、闘争・逃走反応を起こしてしまうのです。

自己評価

自分自身の評価が関わる場面で緊張することがあります。失敗したくない、他人に良い印象を与えたい、自分の能力を証明したいという気持ちが強くなると、そのプレッシャーから緊張が生じます。

脳の反応

緊張は脳がストレスや不安を感じるときに発生します。特に、脳の扁桃体という部分が関与しており、危険や挑戦に対する警戒心を高めます。これは進化的に見ると生存本能に基づいており、危険を察知して身を守るための反応です。

新しい経験や挑戦

新しい状況や重要な出来事に直面すると、人は緊張を感じることが多いです。例えば、試験、初対面の人との会話など、結果が不確定である状況は緊張を引き起こします。つまりピアノを他者に聴いてもらう事は緊張を感じるという事です。

これらの要因が組み合わさり、人は様々な場面で緊張を感じます。

過度に緊張してしまう理由

過度に緊張してしまう原因は、個人差があるものの、いくつかの共通の要因が考えられます。以下に主な原因をあげます。

完璧主義

完璧主義の人は、ミスを許さず、常に最高の結果を求めます。このプレッシャーが緊張を引き起こしやすくします。

低い自己評価

自分に対する自信が低いと、自分が他人にどう見られているか過度に気にするようになり、緊張が高まります。

過去のトラウマ

過去に緊張する状況で失敗や恥をかいた経験があると、同じような状況に直面したときに再び過度に緊張することがあります。

過剰な期待

他人からの期待や自分自身の高すぎる期待が、緊張を引き起こす原因となります。

過度な緊張を軽減するためには、深呼吸をしたり、ポジティブな自己対話、十分な準備、そして徐々に緊張する状況に慣れることが有効です。

緊張を和らげる方法

緊張を和らげるためには、いくつかの方法があります。以下にその具体的な方法を紹介します。

深呼吸

深呼吸は、リラックスするための基本的な方法です。ゆっくりと深く息を吸い込み、ゆっくりと吐き出すことで、身体の緊張をほぐし、心を落ち着かせます。

ポジティブな自己対話

自分に対するネガティブな考えをポジティブなものに変えることで、自己評価を高め、緊張を減らすことができます。例えば、「失敗しても大丈夫。経験として学べばいい。」と自分に言い聞かせることが重要です。

十分な準備

発表会前や人前での演奏の前に十分な準備をすることで、自信がつき、緊張を減らすことができます。繰り返し練習することで、慣れが生じ、リラックスしやすくなります。

手のひらや甲をマッサージする。

手のひらの中心をゆっくり押してみて下さい。何度か繰り返すと効果的です。また手の甲の親指の付け根を揉み解すのも効果的です。

本番当日の気持ち

例えミスを連発しても死ぬわけではありません。「ミスしたらどうしよう」ではなく、「ミスしてもいいや」と思う方が良いと思います。大切な事とはミスをしないことより も「ミスをした後にすぐに立ち直れるか」だと思います。もちろんミスはしない方が良いのは言うまでもありませんが、小さなミスより演奏全体を考える事です。

これらの方法を組み合わせて、自分に合った緊張緩和法を見つけてください。

できるだけ失敗をなくす練習方法

ピアノ発表会で失敗をできるだけ避けるためには、準備とメンタルケアが重要です。以下の方法を参考にしてみてください。

徹底的な練習

計画的な練習: 毎日の練習スケジュールを立て、時間をかけて曲を丁寧に練習しましょう。特に苦手な部分は重点的に練習します。

通し練習: 実際の発表会のように、曲を最初から最後まで通して弾く練習をします。これにより、本番での流れをつかむことができます。

テンポを落とす: 初めはゆっくりとしたテンポで正確に弾けるようにし、その後徐々にテンポを上げていきます。

途中から練習する(色々な弾き始めから):緊張すると頭が真っ白になり、どこまで弾いていたかわからなくなってしまうことがあります。いつも最初からの練習ではなく、さまざまな弾き始めから弾いて慣れておく必要があります。

精神的な準備

前向きな自己対話: 「自分ならできる」「この曲を楽しもう」といった前向きな言葉を自分に言い聞かせます。

他人の評価を気にしすぎない: 自分が楽しむことを第一に考え、他人の評価を過度に気にしないようにしましょう。

リハーサルの活用

模擬発表会: 家族や友人の前で模擬発表会を行い、本番の雰囲気を体験します。これにより、本番に近い緊張感を体験できます。

これらの方法を実践することで、ピアノ発表会での成功率を高めることができます。リラックスして、自分の演奏を楽しむようにしましょう。

ピアノ演奏、緊張しない方法のまとめ

ここまで、ピアノ演奏はなぜ緊張するのか?緊張のメカニズム、失敗をなくす方法を解説してきました。簡単にまとめてみます。

なぜ緊張してしまうの?

人が緊張するのは、脳がストレスや不安を感じると、危険や挑戦に対する警戒心を高めるためです。新しい状況や重要な出来事、自己評価への不安、過去の失敗経験などが緊張の原因となります。これらの要因が組み合わさり、身体的な反応(心拍数の上昇、手汗など)がさらに緊張感を増幅させます。人前でのピアノ演奏は上記の要素が組み合わさり、緊張すると考えられます。

緊張するメカニズム

緊張のメカニズムは、脳の扁桃体がストレスや不安を感じると、自律神経系が反応し、アドレナリンが分泌されることで始まります。これにより心拍数や呼吸が速くなり、筋肉が緊張します。この反応は、危険や挑戦に備えるための身体の自然な防御機能です。

失敗をなくす練習方法

失敗をなくす練習方法として、日々の練習はもちろん、前向きな気持ち、人の評価を気にしないなどマインドも大きく関わってきます。自信を持つことの大切さ、演奏を楽しむことの重要さがわかります。

ピアノを人前で弾くということ、誰でも緊張します。緊張しないという方は、経験の積み重ねで慣れてきたと考えられます。誰でも緊張するピアノ演奏、緊張を和らげるのは「自信」「楽しむ」など強い気持ちと、その気持ちの根拠になる日々の練習なのです。

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この記事を監修した専門家

平田みどりのアバター 平田みどり 絶対音感が身に付くピアノレッスン講師

ピアノ・リトミック教室HappyMusicのオーナー講師。4歳からピアノを始め、現役奏者の頃は年に100回近くのピアノ演奏、楽器店のミニコンサートへの出演などを行っておりました。
現在は千葉県柏市・我孫子市にあるHappy musicのオーナー講師として、リトミック、ピアノ講師として活動中。
幼稚園教諭免許・保育士免許・日本ジャックダルクローズ協会会員・リトミック認定講師資格・ベビーリズムマッサージ資格・ヤマハ指導グレード資格取得。

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