赤ちゃんがリトミック?どんな内容のリトミックをするの?

胎児は胎生六ヶ月を過ぎると、聴覚が発達し常に周囲の音に耳を傾けていると言います。基本的には母親の心臓の鼓動を聞いていますが、それに加えて父母の声や音楽、周囲の音、日常の雑音にも注意を払っています。つまりこの時期から、赤ちゃんは音楽との出会いを始めているのです。赤ちゃんは母親の優しい歌声を聞きながら、無意識のうちに手足を動かしたり、リズミカルな歌には興奮気味に手足を動かすことがあります。歌の響きに反応しているのでしょう。そんな聴覚の発達にピッタリな習い事としてリトミックがあります。育児中のママの中には「赤ちゃんにリトミックをさせてみようかな?」と考えている人もいるかもしれません。そこで、お子さんが0歳からリトミック教室に通うと実際どうなのか、リトミックとはどのようなものなのか、0歳から始めて効果があるのか、などについて現役リトミック講師が解説ししますご紹介します。

0歳児がどんなリトミックをするか気になるわ。
人間の聴覚はいつから発達するか
人間の聴覚の発達は、胎児期から始まり、出生後も継続的に進化します。以下に、聴覚の発達過程を4つの段階に分けて説明します。
胎児期の初期(妊娠6~10週頃)
内耳(蝸牛や前庭など)の基本構造が形成されます。聴覚を司る内耳の形態が形成され始め、聴覚神経の基盤も作られます。この時期にはまだ音を感知する能力はありませんが、聴覚システムの構築がスタートします。
胎児期中期(妊娠18~25週頃)
聴覚器官が音を感知し始めます。外耳、中耳、内耳が連携し始め、周囲の音を微弱ながらも感知できるようになります。羊水を通して母親の心音や血流音、外部の音が届きます。この頃から母親の声などが胎児に影響を与え始めると言われています。
胎児期後期(妊娠26週以降)
聴覚機能が成熟し、記憶に関与し始めます。外部の音(例えば母親の声や音楽)を聞き分ける能力が発達します。胎児は音のパターンを記憶し、出生後もその音を認識する能力を持っています。たとえば、出生後に母親の声を聞くと安心するのは、胎児期に聞いていた記憶が影響していると考えられています。
出生後の聴覚発達(生後0ヶ月~)
音の方向や内容を識別する能力が進化します。出生直後には、すでに母親の声を識別する能力を持っています。生後数ヶ月の間に、音源の方向を正確に把握したり、音の高さやリズムを認識したりする能力が急速に発達します。言語の音を聞き分ける能力も育まれ、周囲の言語環境がその後の言語発達に大きく影響を与えます。


このように、聴覚の発達は胎児期から始まり、外部環境や母親の声などによって大きく影響されます。音楽や母親の声を聞かせることは、胎児の健全な発達に役立つと言われています。
赤ちゃんのリトミックはどんなことをするの?
赤ちゃんのリトミックは、赤ちゃんの発達段階に合った音楽活動を通じて、感覚や身体の発達を促します。
音楽とリズムに合わせた手足の動き
音楽に合わせて親子で手を叩いたり足を動かす活動が多いです。座りながらできる活動が多く、親子のスキンシップを深めます。リズムに合わせた活動も多いです。
歌やメロディーの聴取
簡単な歌を聴かせたり、親が歌を歌って赤ちゃんが音に親しめるように促します。言葉の発達を助け、耳を育てる活動をします。
楽器の音を感じる
鈴やマラカスなどの小型楽器を振ったり触れたりさせて、音を出す体験をします。ピアノの音を聴くことで耳を育てます。


動きと音の連動
音の強弱や速さに合わせて、抱っこで揺れたり、跳ねるなどの動きを親が行います。音と動きの関連を学びながら、赤ちゃんの体感覚を育てます。
このようなリトミック活動を通じて、赤ちゃんの情緒的な安心感や、将来の音楽的感性を育てることができます。
赤ちゃんにこそたくさんの音楽を
赤ちゃんに音楽を聴かせることは、心身の発達にさまざまな良い影響を与えます。具体的なメリットを詳しく説明します。
聴覚の発達を促進する
音楽は多様な音の高さ、リズム、テンポを含んでおり、赤ちゃんの聴覚神経を刺激します。これにより、音の違いを識別する能力が向上し、聴覚の発達が促進されます。特に、クラシック音楽や童謡など繰り返しの多い音楽は、赤ちゃんにとってわかりやすく、聴覚トレーニングとして効果的です。
感情の安定とストレス軽減
音楽にはリラックス効果があり、赤ちゃんの情緒を安定させます。特に母親が歌う子守唄や穏やかなメロディーは、赤ちゃんに安心感を与え、泣き止ませたり眠りに導いたりする効果があります。胎児期から聞いていた音楽を聴くと、赤ちゃんはさらに安心を感じることが分かっています。
脳の発達と認知能力の向上
音楽は赤ちゃんの脳に広範囲な刺激を与え、記憶力、集中力、そして言語能力を育む助けになります。リズムに合わせて手を叩いたり、体を揺らしたりする動作は、運動能力や協調性を高めるだけでなく、脳の神経回路を活性化させる重要な働きをします。これが学習能力や問題解決能力の基盤を築くことにも繋がります。
親子の絆を深める
赤ちゃんに音楽を聴かせたり、一緒に歌を歌ったりする時間は、親子の絆を深める貴重な機会です。赤ちゃんは音楽を通じて親の声や動きに反応し、親子のコミュニケーションが活発になります。このような時間は、愛着形成や社会性の発達にも良い影響を与えます。


これらの効果を最大限に引き出すためには、赤ちゃんの年齢や好みに合った音楽を選ぶことが大切です。例えば、胎児期から聞いていた音楽や、赤ちゃんがリラックスできる穏やかな曲調の音楽を日常に取り入れると良いでしょう。
リトミックをやらせようとしている先輩ママの意見
先輩ママたちがリトミックを子どもにやらせようと考える理由には、さまざまなポジティブな意見があります。
子どもの発達を促したい
・音楽を通じて、リズム感や集中力、身体能力の発達が期待できるから。
・「リトミックは楽しく遊びながら学べるので、子どもの感性や運動能力を育てる良い方法だと思う。」
集団生活への慣れをサポート
・同じ年齢の子どもたちと一緒に参加することで、社交性や協調性を身につけてほしい。
・人見知りがちょっと心配だから、小さいうちからお友達と触れ合う機会を増やしたい。」
親子の時間を大切にしたい
・日常から少し離れて、子どもと一緒に楽しめる時間を過ごしたい。
・「普段忙しいけれど、リトミックの時間は子どもと笑い合える特別な時間になると思う。」


将来の基礎を作りたい
・音楽やリズム感が将来的な学びや才能につながると考えているから。
・「音楽教育に興味があって、リトミックなら小さいうちから無理なく始められそう!」
これらの意見は、リトミックが楽しく、子どもの成長や親子のつながりに良い影響を与えると信じていることからきています。先輩ママたちの声を参考にしながら、楽しめる活動を見つけてくださいね。
まとめ
赤ちゃんがリトミックなんてするの?と思われていた方は、赤ちゃんの素晴らしい聴覚を知り、少し見方が変わったかもしれませんね。
聴覚の目覚ましい発達とは
胎児や赤ちゃんの聴覚は、驚くほど早い段階から発達し始めます。胎児期の妊娠18週頃には音を感知し始め、母親の心音や外部の音を聞くことができます。そして妊娠26週以降には、音を記憶し、出生後もその音を認識する能力を持っています。出生後はさらに聴覚が急速に発達し、音の方向を正確に捉えたり、声の区別をしたりする力が育ちます。これらの発達は、言語の習得や感情の音感発達にも大きく影響します。
赤ちゃんのリトミックレッスンとは?
赤ちゃんのリトミックレッスンとは、音楽やリズムに合わせて親子で楽しむ活動を通じて、赤ちゃんの感覚や身体、情緒の発達を促すプログラムです。音楽に合わせて揺れる、手を叩く、簡単な楽器を使うなど、赤ちゃんのリズム感や聴覚を育てるだけでなく、親子の絆を深める効果もあります。遊び感覚で行えるので、楽しく成長をサポートできます。
赤ちゃんにこそ音楽を
赤ちゃんに音楽を聴かせることは、聴覚や脳の発達を促進し、情緒を安定させる効果があります。また、親子の絆を深め、社会性や言語能力音感能力の基盤を築く大切な役割も果たします。赤ちゃんの成長に寄り添った音楽は、心と体の健やかな発達に重要です。


赤ちゃんの時期だからこそ、耳を使うリトミックで親子のスキンシップを図りながらお子様の才能を引き出してあげたいですね。