「ある日突然、いつも聴いていた音が違って聴こえる」
そんな症状があることをご存知ですか?
自分の耳に何が起きているのか分からず不安を感じている方に、この記事が少しでも改善のきっかけになれば幸いです。
以前、私自身が突然聴覚に違和感を覚えた経験をもとに、お話しさせていただきます。
音を聞いていつもと違うと感じたときに考えられること

「あれ、いつも聴いていた音と違う」
そう感じたことがある方へ、考えられる原因を紹介します。
低音障害型感音難聴
低音障害型感音難聴とは、高音域に比べて低音域の聞こえが悪くなる難聴の一種です。
内耳の蝸牛にある毛細胞が低音域に反応しにくくなることで生じ、低音が小さく聞こえたり歪んで聞こえたりするのが特徴です。
高音域は比較的聞こえやすいため、異変に気づきにくいケースも少なくありません。
加齢や遺伝のほか、特定の疾患や外傷が引き金になることもあります。

軽度の難聴
静かな場所ではあまり支障がなくても、騒がしい環境になると会話が聞き取りにくくなる。
それが軽度の難聴です。
話の一部を聞き逃したり、細かい音のニュアンスが掴めなかったりといった形で現れます。
耳の構造上の問題や加齢、騒音への長期的な暴露、疾患など、原因はさまざまです。
ディップ型感音難聴
ディップ型感音難聴は、特定の周波数帯域だけ聴力が落ち込む感音難聴の一形態です。
「ディップ」という名前は、聴力検査のグラフに谷が現れることに由来しています。
音楽や会話に欠かせない周波数帯域に影響が出るため、日常生活の中で違和感として気づきやすいタイプです。
薬の副作用
フラベリック(咳止め)やテグレトール(抗てんかん薬)を服用すると、音程が半音低く聞こえるという現象が起きることがあります。
文献的な報告は多くないものの、音楽家や絶対音感を持つ方が異変に気づくケースが多いようです。
添付文書にも、頻度は不明ながら「聴覚異常(音感の変化等)」が副作用として明記されており、私自身が経験した聴覚の異変も、まさにこれが原因でした。
平田先生辛かった・・・
耳の良い方が「いつもと違う」と感じたら、まず耳の病気や薬の副作用を疑ってみてください。
音のズレがどれほど苦痛なものか、経験した者にしかわかりません。
原因を突き止めることが、改善への第一歩になります。
音が半音ズレるってどんなかんじ?
いつも聴いていた音が違って聴こえることは、耳の良い方にとって耐え難い世界です。
私の実体験をもとに、どんな感覚なのかお伝えします。
なんとも気持ちが悪い世界


身近な人の声も、家電のモーター音も、アラームもサイレンも効果音も、全部違って聴こえました。
一度気になり出したら、もう止まりません。
原因が分からなかった当時の私は、周りの人に何度も「なんでいつもの音じゃないの?」と問いかけていました。
自分でもわかっているのに止められない、まるでノイローゼのような感覚でした。
音楽活動に支障が出る
音が全て違う音に聴こえるわけですから、音楽活動においても支障が出ました。
耳では違う音を認識しているのに、ズレている音名を歌う、弾く(ピアノ)しかないことに、違和感しかありませんでした。
煩わしさがずっと続く
例えると、見えていたものが見えない、ぼやけるという感じ。
もしくは、違うものに見えてしまうくらい、脳はパニックを起こします。
そこにあるのは水のはずなのに、いざ飲んでみると牛乳だった、くらい衝撃的です。
「え!?なぜ?!」という気持ちと、煩わしさが続きます。
治るまでの時間
上記で述べた原因にもよりますが、一般的に一過性の感音難聴は、薬物の影響や騒音などの一時的な原因によるものであれば、数日から数週間で改善する場合があります。
しかし低音障害型感音難聴の場合、慢性的な状態や永続的な変化が起こっている可能性があります。
治癒にかかる時間は、症状の重症度や原因によって異なります。



「いつもと違う」がこんなにも違和感がある事を、身を持って経験しました。同じような症状がある方の辛さ、よくわかります。
半音ズレに治療法はあるの?
自分だけが変なんだ、と悲観せず、耳鼻科に行き相談してほしいです。
音感難聴の治療法の例
- 補聴器の使用:聴力の低下を補うために補聴器を使用することがあります。外部からの音を増幅して聴力を補正するもので、低音域の聴力低下がある場合には、症状に合った補聴器が選択されます。
- 聴覚リハビリテーション:補聴器の使用と並行して、聴覚リハビリテーションプログラムへの参加が役立つ場合があります。音声の理解力向上やコミュニケーションスキルの改善を目的としたプログラムです。
- 音響療法:特定の音や周波数を用いて聴覚システムを刺激し、聴力の改善を促す療法です。一部の患者に有効とされています。
- 薬物療法:ステロイドや血管拡張薬が処方されることがありますが、有効性は個々の状況によって異なります。
- 手術:重度の感音難聴や内耳に構造的な問題がある場合には、手術が検討されることもあります。
慣れていくことを願って
治療方法の例をお話ししましたが、難聴や音のズレが改善しない場合、その音と慣れ合っていくしかないこともあります。
私の場合は薬の副作用でしたので、治療もなく、ただ治るのを待つだけ。
本当に治るのか不安になったこともあります。
しかし、その音に慣れていかなければストレスになります。
音を「いつもの音」と決めつけず、聴き流すことで少しずつ慣れていきました。
焦らず付き合っていく
焦らず、その「音」と付き合っていくことが大切です。人間の五感とはすごいもので「聴覚」「視覚」「味覚」「嗅覚」「触覚」、これらは外部の環境を把握し世界を理解するための主要な手段です。その「聴覚」に異常を感じた衝撃は大きいです。しかし、回復を願い、焦らず付き合っていってほしいと思います。



聴覚の異常はなかなかわかってもらえないものです。だからこそ、つい我慢してしまったり、打ち明けられなかったりしてしまいます。異変を感じたら、ぜひ病院に相談してください。
半音ズレは絶対音感をもっている人がなりやすい?
私は絶対音感をもっていません。
しかし「半音ズレ」経験者です。どんな人がなるのか考えてみました。
聴覚に敏感な人は感じる
音に敏感な人は、音をかなりの精度で記憶していると考えます。
ですから普段は全く気にしていない方でも、いざそうなった時に気づく方もいると思います。
もちろん絶対音感をもっている方が何らかの原因で発症した場合、100%不便に感じると思います。
相対音感保有者もなる
前述したように、私は絶対音感をもっていません。
しかし相対音感をもっています。
相対音感とは、基準の音に合わせて音の幅がわかる能力です。
半音ズレていても、その音を基準に修正すればいいのでは、と最初は思いました。
しかし、そのズレは修正できず、正しくない半音ズレは私にとって苦痛でしかありませんでした。
同じ症状の人(悩み)はいる



薬の副作用の場合、徐々に治っていきます!
私の場合、薬の副作用による音感難聴(半音ズレ)について病院に相談したところ、副作用であることはわかったものの、実際の患者さんを診たことがないと言われました。
絶望する中でネット検索してみると、同じ症状の方がチラホラ見つかり、少しホッとしました。
今この記事を読んでいる方の中で同じ経験をしている方がいれば、少しでも不安を軽くできたらと思っています。
私の場合、1ヶ月ちょっとで半音ズレは完全に解消し、今では全く症状は出ていません。
まとめ


耳の良い人にとって、聴こえていた音が違う、聴こえにくいというのは大きなストレスになります。
原因としては音感障害・難聴・薬の副作用などが考えられ、耳の構造の問題や加齢、騒音、遺伝、特定の疾患や外傷などさまざまな要因が関わっています。
症状が出やすいのは「耳の良い方」ですが、絶対音感をもっている方だけに限りません。
普段は自分の耳の良さを意識していない方でも、いざ症状が出たときに初めて気づくケースも多くあります。
治療法には補聴器・聴覚リハビリテーション・音響療法・薬物療法・手術などがあり、一時的な原因によるものであれば数日から数週間で改善することもありますが、症状の重さや原因によっては長引く場合もあります。
半音ズレや音感難聴、耳の聴こえに違和感を抱えている方の不安とストレスが、少しでも軽くなることを願っています。














