絶対音感を確実に身につける方法3ステップ
絶対音感を身につけたい、お子さんに習得させたいと思っている方も多いのではないでしょうか。実は絶対音感を身につけるトレーニング法があるんです。そのトレーニング法が発見されたのは、1970年代、それ以前から絶対音感は存在しましたが、それらの絶対音感は、自然に身についた絶対音感だったのです。絶対音感は、長い間、そのめずらしさと、身につける方法が分からないという神秘性から、注目を集めてきました。
そこで、絶対音感がほぼ確実に身に付くステップを3つお話ししたいと思います。
絶対音感を身につける方法1「年齢」
絶対音感を身につけるのには年齢の制限があります。人は誰でも絶対音感を身につける可能性を持っていますが、成長とともに、その可能性を失います。その年齢を過ぎると、トレーニングをしても、絶対音感に到達することはありません。したがって、この時点で絶対音感を身に付けたいが諦めればならない方がいることをどうかご了解ください。
年齢制限
絶対音感習得には6歳半までである事が条件です。人はありあまる可能性を持って生まれながら、一定期間、それを使う環境にないと、「それは不要な能力である」と判断し、 その能力の発達を止めてしまいます。より必要な能力を伸ばすための仕組みです。身につけられる時期が限られている能力は、絶対音感以外にもあります。
母国語の獲得も、その1つです。年齢が高くなってから学んだ言語は、母国語のようにはなりません。これらは、聴覚神経の発達に関連すると考えられています。
臨界期
臨界期とは生理学用語で、人間の脳の発達の幼児期においてある刺激が与えられたとき、その効果が最もよく現れる時期をさします、臨界期に適切な刺激を与えておけば、その後成長してからもすぐにコツをつかむことができるので、技能の上達が早くなります。言語や数学、音感、感覚などに臨界期は存在しており、その臨界期は6歳未満。脳科学的にまぎれもない事実です。よって、外国語や数字を処理する能力(筆算や暗算)、絶対音感を育みたいなら、3歳ころから6歳までに始めるのがベストです。
絶対音感とクロマの存在
絶対音感では「クロマ」の特定能力です。「クロマ」とは簡単に各音特有の響きを言います。人は音を高い低いと言いますが、クロマのその音特有の響きをもっているので、音の固定に関係なく音名が特定できます。その能力が絶対音感なのです。そして、このクロマは加齢によりトーン・ハイト(音の高低)に傾いてしまうのです。
絶対音感は低年齢のお子さんのみ身につける事ができることだったんですね。
絶対音感を身につける方法2「習慣化する」
絶対音感は1日、2日では身につきません。一定期間トレーニングする必要があります。トレーニング中の注意点をお伝えします。
比べない、感情を当てはめない
絶対音感トレーニングは絶対的な聴き方をするトレーニングです。何かと比べてはなりません。それはトレーング中の講師の反応、声かけでもそうです。人間は賢い生き物で、顔色を見たり、正解を導き出すためさまざまな情報を入手し比較しようとします。これは正しい成長の現れです。しかし絶対音感を身につけるためのトレーニングでは、比較したり、叱ったり、あからさまに褒めてもいけません。それは、トレーニングで絶対的な聴き方をするための方法なのです。
トレーニングをやめない
トレーニングは、絶対音感が身につき定着する6歳半ごろまで続けます。それは教室でのトレーニング以外でもご家庭の力をお借りし、続けていきます。1回は短いトレーニング時間ですが、1日に何度かトレーニングをします。
2-3親の根気勝負
2-2でお話ししたように、トレーニングは保護者の力をお借りせざる得ません。絶対音感を身につけるため、トレーニングを欠かさずして頂くご苦労は大変かと思います。
絶対音感を身につける方法3「正しい方法」
絶対音感トレーニングの正しい方法とはどんな方法なのでしょうか。
ほぼ確実に絶対音感をつけることのできる唯一のトレーニング法
適切にトレーニングをおこなえば、ほぼ確実に身につけることができる絶対音感。「江口式絶対音感プログラム」は、現在、もっとも効果的なトレーニング法とされています。「江口式絶対音感プログラム」は3つの和音の響きを覚え、だんだんと細分化して単音化していきます。響きを捉えることでクロマでの聴き取りをしています。
忠実に行う
「江口式絶対音感プログラム」を始めるにあたり、明確なやり方、トレーニングの進め方があります。上記にも述べたように比較しないこと、日々のトレーニングをやめないなど決まり事を忠実に行います。
専門家に相談し、トレーニングを進める
「江口式絶対音感プログラム」を取り入れているピアノ教室、音楽教室があります。ぜひ、専門家に相談しトレーニングを進めて下さい。挫けそうな時もきっと良いアドバイスや励みになると思います。
なぜ絶対音感を身につけたいかを考える
絶対音感を身につける3ステップをお伝えしましたが、ここで「なぜ絶対音感を身に付けたいか」を考えてみましょう。
可能性を広げる
適切なトレーニングをすればほぼ身に付くと言われている絶対音感。方法があるならつけてみたいとおもうと思います。それは将来のための可能性を広げることにもつながります。
伸ばせる才能の1つ
絶対音感があると人生でまずいことはなに1つありません。これといったデメリットがないなら、才能を伸ばしたいものですよね。また、音楽家にしたい、ピアノを習わせたいなど音楽に関わるならうってつけの才能と言えます。
大切にしなくてはいけないこと
絶対音感のトレーニングは時にお子さんにとってはわずらわしい時があります。そんな時も講師や保護者はトレーニングを進めなくてはなりません。そんな時、イライラしたり叱ったりしてしまい、お子さんとの関係が上手くいかないのでは本末転倒です。絶対音感は大切な能力ですが、何のためにトレーニングしているかは忘れないで下さい。目的はお子さんの未来のためにです。
絶対音感と相対音感
もしここまで読んでいただいた中で、6歳半を過ぎている方、大人の方で絶対音感を身に付けたいと思っている方がいらっしゃったら、相対音感を身につけるべきです。相対音感の「相対」とは、「比べる」という意味です。前の音との幅を見積もって、音をあてること、音階の枠組みを利用して、音をあてること等は、相対音感です。 絶対音感と相対音感は、音の判断の仕方がまったく違います。
どちらが優れているといった話ではなく、どちらも音楽活動をおこなう上で、重要な能力です。相対音感はいつからでもトレーニングで伸ばすことができます。
今一度、絶対音感という才能について考えてみるのも良いですね。
絶対音感の身につけ方のまとめ
年齢、習慣化、正しいトレーニング法
絶対音感を身につける3ステップは
- 6歳半以下のお子さん
- 毎日のトレーニング
- 正しいトレーニング方法で進める
でした。各ステップでのポイントを踏まえ、多くの方が絶対音感を習得され、より良い音楽活動、語学などに役立てて欲しいと思っています。
まずは絶対音感トレーニングをしている音楽教室に相談
絶対音感のトレーニングは乳幼児相手のトレーニング、そして習慣化の要素も多く、時に大変なこともあります。適切な指導を行っている音楽教室で講師と2人3脚で進めることで、最短で良い結果が得られると思います。ぜひ、相談して下さい。
お子さんの可能性を信じ、才能を伸ばしてあげることは、親からのお子さんへの大きなプレゼントになるのではないでしょうか。