絶対音感ってそんなに偉いの？絶対音感を自慢する人がうざい・・・

音楽を聴くときに、音の高さや音名を比べることなく正確に判断できる能力を「絶対音感」と言います。絶対音感を持つ人は、音楽の天才だと思われがちの風潮があると思いませんか。実際はどうなのでしょうか？また、絶対音感を自慢する人にイライラしたことがあるという方がいました。今回は、絶対音感の真実と、絶対音感を自慢する人にどう対処すればいいかを教えます。

絶対音感とは

絶対音感であると定義される特徴を説明します。

音を単独で聞いて名前を正確に言える能力

楽器や声で出された音を他の音と比較せずに聞き取り、それが「ド」や「ミ」など特定の音高であると即座に認識できます。

音の高さを基準なしで記憶していること

例えば、ピアノの鍵盤や音叉などがなくても、基準音を頼らずに正確な音高を再現したり認識したりする能力です。

音程や調の変化を正確に感じ取る能力

単音だけでなく、複数の音（和音）を聴いた際にもその構成音を特定できることが含まれます。

生音や環境音でも音名を判断できる能力

ピアノやギターといった楽器だけでなく、鳥のさえずりや車のクラクションなど、日常生活の音でも音高を認識できます。

これらの特徴が揃っている場合、一般的に絶対音感があると判断されます。

なぜ絶対音感が「天才」的に思われるのか

絶対音感が「天才的」に思われる理由を私なりに考えてみました。

特異な能力であるため

絶対音感を持つ人は全人口の中でも限られており、非常に稀な能力という情報が蔓延していると思います。（本当は違います）その希少性が、人々に「特別な才能」という印象を与えるのではないでしょうか。

幼少期の特定条件でしか獲得しにくい能力であるため

絶対音感は、生まれつきの要素と、幼少期の適切な音楽教育による後天的な習得が必要と言われています。この特殊な条件が「選ばれた才能」と思われる要因になっているのかもしれません。

音楽的な精密さや正確さが際立つため

絶対音感を持つ人は、音楽演奏や作曲の際に、正確な音を認識したり再現したりする能力を発揮します。その精密な音感から、他の人が持たない「天才的な感覚」を持っているように見られがちです。

周囲が理解しづらい能力だから

普通の人は相対音感に頼って音の高さを理解しますが、絶対音感は基準が不要で即座に音を認識できます。この「普通の感覚では理解できない」特性が天才的だと感じられる理由になっています。

こうした理由から、絶対音感を持つ人は「特別で才能がある」として天才的な印象を持たれるのです。

音楽にとって何が１番大切なことか

「音感」は音楽に重要なことです。その音感は絶対音感に限らず相対音感もあります。それぞれの特徴を音楽で生かせる場面に当てはめて、具体的に解説します。

感じ取れる耳の重要さ

音楽学習に重要な能力の中の1つが「音楽を聴き分ける力」、いわゆる「音感」です。音楽を聴き分ける力とは音楽にかかわるさまざまな要素を認知する力のことであり、それは絶対音感、相対音感のような素晴らしい音感があるから感じるものです。

音楽を作り上げる役目

音楽にはリズム、メロディー、ハーモニーの３要素があります。メロディーは絶対音感で聴き取り、ハーモニーは相対音感で聴き取るなど、それぞれの役目を発揮します。

聴覚の才能を有効に活用すること

音楽を聴き分ける力は1～2歳頃から少しずつ発達し始め3歳頃から5歳頃にかけ急激に発達していきます。つまり「音楽を聴き分ける力」が「手指の器用さ」「楽譜を読む力」よりも早い段階で発達することがわかります。この発達特性を考慮すると「音楽を聴き分ける、音楽を認知する」ための学習は、早い段階から積極的に行う事が子どもにとって楽しくストレスのない音楽学習の方法だといえるでしょう。

「音感」という才能は、音楽を豊かにする才能です。決して絶対音感が偉く、他の音感が劣っているわけではありません。

もし絶対音感を自慢する人がいたら

もし絶対音感を自慢する人がいたら、さらっと流して下さい。確実に言えることは、絶対音感は１番すごい音感ではありません。

肯定的に受け止めて褒める

「すごいね！それって本当に特別な能力だよね」と素直に感心を示します。相手は自慢を通じて認めてもらいたい気持ちがあるので、ポジティブに受け入れることで満足感を得られることがあります。

具体的な話題に展開する

「その絶対音感でどんな音楽をやっているの？」や「どんな場面で役立つの？」と質問して、会話を深めます。自慢話を建設的な方向に転換することで、相手も喜びながら話し続けることができます。

ユーモアで流す

「それじゃあ、この音が何の音か当ててみて！」と軽い冗談やゲームのような提案をして、場を和ませます。冗談めかして流すことで、相手も深く自慢を続けづらくなります。

興味を別の話題に向ける

「すごいね！そういえば、最近〇〇の話を聞いたんだけど…」と他の話題に切り替えます。適度に認めつつ話題を変えることで、自然に自慢話を終わらせることができます。

相手を否定せず、適度に受け止めたり、話題を切り替えたりするのがポイントです。

まとめ

絶対音感を理解し、もし「それが１番すごい」と自慢する人がいたら、参考にしてみて下さい。

絶対音感はなぜ「天才」的に思われるのか

絶対音感は、特定の音を聞いた瞬間に正確に音名を認識できる能力のことで、一般的には幼少期に鍛えられるものとされています。この能力は、音楽の演奏や作曲などで高度なスキルとして役立つため、多くの人に「特別」または「天才的」と見られます。また、音楽以外でも日常の音を「音名」として捉える能力は普通の感覚とは大きく異なるため、非凡で神秘的な印象を与えることが一因です。こうした珍しさと、特定の分野での才能の象徴としての価値が、絶対音感を「天才的」と感じさせる理由です。

音楽に大切なこと

音楽には細かな変化やニュアンス、リズムやハーモニーなど様々な要素から成り立っています。その助けをしてくれるのが「音感」です。音楽活動にとって、どちらがいいという話ではなく、有効な場面でその音感を使うことが大切です。

絶対音感を自慢する人への対処法

絶対音感を自慢する人への対処法は、相手を尊重しながら適度に対応することが大切です。例えば、「すごいですね、それが役立つ場面ってどんな時ですか？」と軽く褒めたり質問したりして、相手が満足したところで話題を変えるのが効果的です。また、あまり深く話を広げたくない場合は、「面白いですね！」と軽く受け流しつつ、他の話題に移るのも良い方法です。ポイントは、相手を否定せずに、適度な距離感で会話を続けることです。

音楽を職業にしている私からすると、絶対音感、相対音感があることはとても有利になることはわかっています、しかしそれらに順位はありません。音感はより良い音楽活動に役立てるもので、持っている人がすごい、持っていない人がダメなことは一切ありません。