絶対音感が衰える?!身についた絶対音感がなくなる理由

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絶対音感とは、他の音と比べなくても、突然きこえた音の音名が分かる能力のことです。
絶対音感を持っている人は0.2~0.5%と、非常にまれな能力であるがゆえ、神秘的なものとして捉えられている時期もありました。今では年齢の小さいうちに適切なトレーニングをおこなうことによって、誰もが習得できる能力であることが分かっています。また絶対音感は、一般的に「一度習得すると衰えない」と考えられていますが、完全に不変ではないこともあります。今回はその理由を解説します。

絶対音感って衰えるの?

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衰える可能性

絶対音感は、6歳半までのトレーニングで習得することができ、「一度習得すると衰えない」と考えられています。しかし、それは様々な理由で完全に不変ではないこともあります。

訓練の停止

長期間音楽から離れると、音名を瞬時に思い出す速度が遅くなることがあります。ただし、完全に能力を失うわけではなく、再び訓練を始めれば復活することが多いです。

聴覚の変化

年齢や聴覚に影響を与える病気(例:聴力損失や耳の疾患)により、音の聞こえ方が変わることがあります。これが絶対音感に影響を与える可能性があります。

脳の健康

脳の健康状態も絶対音感に影響を与えることがあります。認知症や脳卒中など、脳に関わる病気が進行すると、音に対する認識能力が低下することがあります。

絶対音感は一度習得すると比較的持続する能力ですが、訓練の停止、聴覚の変化、脳の健康状態などの要因によって影響を受ける可能性があります。絶対音感が完全に失われることは稀ですが、状況に応じてその能力が低下することはあり得ます。

絶対音感を維持する方法

絶対音感を維持するためには、継続的な訓練と適切な生活習慣が重要です。具体的な方法をいくつか紹介します。

定期的な音楽練習

定期的に楽器を演奏することで、音の高さに対する感覚を維持できます。特にピアノやバイオリンなど、音程を正確に取る必要がある楽器が有効です。また絶対音感を持つ人向けの聴音トレーニングを続けることも有効です。これには、音名を瞬時に答える練習や、聞いた音の和音やメロディーを記譜する練習が含まれます。

健康管理

耳を保護するために、大音量の環境を避けたり、耳栓を使用したりすることが重要です。聴力が低下すると、音を正確に聞き取る能力も影響を受ける可能性があります。またバランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠、ストレスを減らした生活など、全体的な健康状態を良好に保つことも、脳と聴覚の健康を維持するために重要です。

継続的な学習

新しい楽曲を学ぶことで、音楽に対する新しい刺激を提供し、絶対音感を活性化させることができます。また音楽理論を学ぶことで、音の構造や関係性についての理解が深まり、音に対する認識力が向上します。

絶対音感を維持するためには、音楽的な活動を継続すること、聴力と全体的な健康を保護すること、そして精神的な健康を維持することが重要です。これらの習慣を続けることで、絶対音感の能力を長く保つことができます。

なくなってしまった絶対音感を取り戻す方法は?

絶対音感が一度衰えてしまった場合、それを取り戻すためには、継続的な訓練と効果的な方法を用いることが重要です。絶対音感を再び取り戻すための具体的な方法を紹介します。

基本に戻る

ピアノや他の調律された楽器を使って、基本的な音名を再確認します。特定の音を聞いて、それがどの音かを確認する練習を繰り返し行います。音階の練習ではドレミファソラシドの音階を繰り返し聞いて、各音に慣れるようにします。最初はゆっくりと始め、徐々に速度を上げていきます。

聴音トレーニング

ピアノなどの楽器でランダムな音を弾き、その音を聞いて音名を答える練習をします。これを繰り返し行うことで、音の高さに対する感覚を再び鋭敏にします。

絶対音感トレーニングで用いた、和音の認識を使い、音が同時に鳴る和音の響きを聴いて、その構成音を特定する練習をします。これにより、複雑な音の中でも個々の音を認識できるようになります。

規則的な練習

毎日少しずつでも音感のトレーニングを行うことが大切です。短時間でも良いので、継続的な練習が効果的です。絶対音感トレーニング用のアプリやソフトウェアを使用して、日々の練習をサポートすることも有効です。

専門家の指導を受ける

音楽教師や専門家の指導を受けることで、効果的なトレーニング方法を学ぶことができます。個別の指導により、自分の弱点を的確に補強できます。また指導を受けることで定期的に訓練を行うことができ持続されることが期待できます。

絶対音感を取り戻すためには、基本に戻った継続的な練習、聴音トレーニング、規則的な練習、音楽的環境の整備、専門家の指導、そして音楽理論の理解が重要です。これらを組み合わせて実践することで、絶対音感を再び鍛え、取り戻すことができるでしょう。

絶対音感がなくなっていく年齢は?

絶対音感がなくなっていく、あるいは弱くなっていく年齢について具体的な年齢を一概に述べることは難しいですが、いくつかのポイントが関係します。

加齢と聴覚の変化

年齢とともに聴力が低下することは一般的です。特に高音域の聴力が先に低下することが多く、これが絶対音感に影響を与える可能性があります。一般的には40歳以降に聴力の変化が顕著になることがあります。また加齢に伴い、音を瞬時に認識する速度が遅くなることがあります。これは脳の処理速度の低下に関連しています。

継続的な音楽的活動の有無

絶対音感を持つ人でも、長期間音楽活動から離れると、音名を瞬時に思い出す能力が低下することがあります。特に、音楽の演奏や聴音トレーニングを中断した場合、その能力が衰える可能性があります。

健康状態

聴覚に関する病気や耳の疾患が絶対音感に影響を与えることがあります。例えば、メニエール病や突発性難聴などの疾患が原因で聴力が低下することがあります。認知症やアルツハイマー病など、脳に関連する病気が進行する場合も、音の認識能力が低下する可能性があります。

絶対音感がなくなっていく具体的な年齢は一概には言えませんが、加齢や健康状態、音楽的活動の有無が影響を与えることがあります。一般的には、40歳以降に聴力の変化が顕著になることが多いですが、個人差が大きく、音楽活動を続けることでその影響を最小限に抑えることが可能です。

絶対音感が衰える理由のまとめ

絶対音感がなくなる理由をお話ししてきました。まとめてみます。

絶対音感が衰える理由

年齢とともに聴力が低下し、特に高音域の認識が難しくなることがあります。加齢による脳の処理速度の低下により、音の認識速度が遅くなることがあります。また長期間音楽活動から離れると、音名を瞬時に思い出す能力が低下する可能性能性があります。聴覚関連の病気も関係があります。また脳の健康状態(例:認知症、アルツハイマー病)が音の認識能力に影響を与える可能性もあります。

絶対音感を維持するには?また、取り戻すには?

楽器の演奏や聴音トレーニングを日常的に行ったり、新しい楽曲の学習や音階の練習を継続することが大切です。普段から大音量の環境を避け、耳を保護することや、定期的な聴力検査を受けることも重要です。また音楽教室などで指導を受けることで、効果的で持続的なトレーニングをすることができます。

絶対音感がなくなっていく年齢は?

年齢に関係があるようです。加齢とともに現れる聴覚と脳の衰退で、それは現れることが多いようです、個人差も大きいですが、大体40歳ごろから現れることがあるようです。また、音楽活動から離れることも絶対音感がなくなる理由に大きな影響があります。それを含むと一概に年齢だけが絶対音感が失われる理由でもありません。

  

絶対音感は加齢や健康状態、音楽活動の停止などにより衰える可能性がありますが、適切な訓練と健康管理を行うことで維持することが可能です。また、衰えた絶対音感を取り戻すためには、基本に立ち返った継続的な練習と適切な音楽的刺激が重要です。

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この記事を監修した専門家

平田みどりのアバター 平田みどり 絶対音感が身に付くピアノレッスン講師

ピアノ・リトミック教室HappyMusicのオーナー講師。4歳からピアノを始め、現役奏者の頃は年に100回近くのピアノ演奏、楽器店のミニコンサートへの出演などを行っておりました。
現在は千葉県柏市・我孫子市にあるHappy musicのオーナー講師として、リトミック、ピアノ講師として活動中。
幼稚園教諭免許・保育士免許・日本ジャックダルクローズ協会会員・リトミック認定講師資格・ベビーリズムマッサージ資格・ヤマハ指導グレード資格取得。

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