絶対音感と音痴の関係なぜ絶対音感があるのに音痴なの?音痴パターンと納得の理由
絶対音感をもっているのに音痴な人はいるの?という疑問を解説し、絶対音感と音痴の関係について詳しくまとめてみました。なぜ絶対音感があるのに音痴の人は存在するのか?を説明しますね。
そもそも音痴とはなに?
音痴というのは、簡単に言えば「歌がうまく歌えない人」「歌う際に正確な音をとれない人」を言います。では音痴について説明しましょう。
2つのパターン
音痴は大きく「運動性音痴」と「感覚性音痴」との2つに分かれます。「運動性音痴」とは耳からは正しく音は聴き取れていのにのど(声帯)が正しく発声できない音痴です。また「感覚性音痴」は耳ですでに音を正しく聴き取れていないタイプの音痴です。絶対音感があるのに音痴は「運動性音痴」に分類されます。
先天性?後天性?の音痴になる訳
音痴は遺伝しません。しかし音痴になるのは、親の影響を多大に受けます。 なぜなら生まれてから、6歳くらいまでの耳の成長の黄金期を辿る中で、両親の音楽的背景の影響を強く受けるからです。
音痴と幼少期の音感教育の関係
生まれてから6歳までの音感、音楽的教育を率先しておこなうか否かで音痴になるかならないか決まってくる場合があります。ですから、たくさん音楽を聴くなどして耳を鍛え、聴いた音を発声してみるトレーニングをしたいものです。しかし、幼少期の子供たちは自ら楽しく歌い音楽を楽しむものです。率先して音楽に触れさせてあげたいものです。
音痴には2つのパターンがあり、遺伝ではなく幼児期の聴覚発達が関係していることがわかりました。
絶対音感があるのに音痴な理由はこれ
絶対音感があるのに音痴・・・理由をまとめてみました。
声帯の問題
上述したように絶対音感をもっているのに音痴というのは「運動性音痴」ということです。正しく音を聴き取れているのに声帯で再現できない現象が起こっているのです。
聴き取ることと発声は別の機能
そもそも、絶対音感とは何か?勘違いしている部分がもあるので、ここで少簡単に説明しますと、「絶対音感とは基準の音がなくても音の名前(どれみ)がわかること。その音とは高い低いは関係なく、ピアノの白鍵、黒鍵、鍵盤88鍵全てが言い当てられるレベル」です。絶対音感は優れた聴覚の才能です。つまり聴覚の才能と声を出すという才能は別の能力ということです。
絶対音感をもっていれば音痴は治る
聴き取る才能が高い絶対音感の持ち主は、出すべき音はわかっています。その音を出そうと声帯のトレーニングをしていけば発声の音のくるいも治ってきます。音はきちんと聴き取れている音痴である「運動性音痴」の方は絶対音感を持っていなくても音感が良ければ、音痴は治すことができます。逆に「感覚性音痴」の方は残念ながら6歳を過ぎると成長しない聴覚の発達から考えて、音痴を治すことは難しいかもしれません。しかし、何歳になってもトレーニングしだいで伸びる「相対音感」の能力を伸ばせば、音痴は少しでも改善すると思っています。
絶対音感をもっていても音痴な理由がわかると、なるほどですよね。
絶対音感をもっているのに音痴の人の気持ち
絶対音感×音痴の方の気持ちを聞いてみましょう。
わかっている、でも正しい音程で歌えない
「自分でも気がついてます、音が外れてるな〜って。でも修正できる技量がありません。」と言う絶対音感持ち主もいます。音のズレは気が付いているんですね。
正しい発声は難しい
自分が話したり歌っている時に聞こえる音は、口腔、鼻腔、気道での共鳴音が骨導音として聞こえている状態です。人間の声には基音となる周波数以外に前述の共鳴音が混じり合った複雑な周波数が混ざっているので、正確な音程は掴みにくいです。
自分の声を捉える難しさ
自分の声は、ふつう体内で聴きます。自分の声を録音して聴いたことはありますか。違って聞こえることがあると思います。録音の声は体外から、耳覚を通じて聴くので、違って聴こえると言う訳です。聴いた音から音程を判断する事と、正しい音程で発声する事は別のスキルだと言うことです。
絶対音感の方が音痴だと、人は「え?」となりますが、仕方のないことです。理解してあげると絶対音感音痴の方もホッとするかもしれません。
絶対音感の人とカラオケに行った時に起こること
話は少し変わり、絶対音感の人とカラオケに行ったらどんな現象が起こるでしょうか。
周りに「絶対音感をもっている」という人がいて、一緒にカラオケに行くと、こうなります。
音は全てわかっている
カラオケのイントロの1音目から全て音名でわかっています。もし、歌声がズレていたら、ズレている音も音名でわかっています。
外れた音もバレている
順調に歌えていても、一見いい感じに歌っていても、絶対音感の人は絶対的に音名を当てられるので、外れた音はバレています。カラオケの音程採点バーのような感じでしょうか。
外れてもそれは発声の問題、おかしなことではありません
絶対音感の人は、音名が絶対的にわかります。したがって音がズレてる、違うなと思うことなんて日常茶飯事です。ただ「あ、ズレてるな」と思うだけです。また、今回のテーマ「絶対音感をもっているのに音痴」な人もいます。これは仕方のないことです。わかってあげましょう。
絶対音感と相対音感
絶対音感、相対音感、音感は聴覚の才能です。歌うこととはイコールになりません。歌うことは声帯(筋肉)のトレーニングによって鍛えられます。発声に必要なのが、耳で聴いて正しい音を発声できること。正しく聴ける耳をもっている絶対音感、相対音感の持ち主は音痴克服には、かなり有利と言えます。
「絶対音感の人ってカラオケしてる時、どんなこと考えているの」という疑問が、わかりましたね。普段の生活でも音を聴き取る能力が高い絶対音感のもち主は、音と付き合いながら生活しているんですね。
絶対音感を持っているのに音痴な理由のまとめ
絶対音感ももっている人が音痴の理由をまとめてみました。理由を知り、絶対音感×音痴の人がいても理解してあげられますね。
絶対音感の人を勘違いしている?
適当に音を鳴らして「この音分かる?」とか聞かれ答えると「え!すごーい!」と神秘的に見える絶対音感保持者、しかしカラオケ行って歌うと「絶対音感あるのにな歌はそこまで・・・」みたいに言われることが多いようです。何だか可哀想ですね・・・。絶対音感と歌が上手いは全然違う能力だと理解していきましょう。絶対音感や相対音感を持っている場合、音痴にはなり得ませんが歌を歌って音を外すことは十分にあり得ることですし、おかしい事ではありません。
理解しよう、「絶対音感」と「音痴」
絶対音感は聴覚の優れた能力であり、聴き取りの能力。音痴であるかないかは声帯、発声という運動機能の問題です。
絶対音感と音痴の関係がわかったことで、理解が深まりました。絶対音感の人への声かけも変わってくるのではないでしょうか。