ピアノがなかなか両手で弾けない、そんな時にはこれ!現役ピアノ講師が練習方を詳しく解説

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片手だとすらすら弾けるピアノ。でも両手になる急に弾けなくなってしまうことってありませんか。わかりやくす楽しく効果的に両手で弾けるようになる方法があれば知りたいですよね。今回はその方法とコツをご紹介します。

平田先生

私が詳しく解説します!

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両手でピアノを弾くのは難しい?

    両手でピアノを弾くのは多くの人にとって難しいと感じられることがあります。以下の理由からです。

    異なる動きの調整

    両手が異なる動きをすることが多く、一方の手でメロディを弾きながら、もう一方の手で伴奏を弾く必要があります。これには高度な協調性と独立した指の動きが求められます。

    リズムの一致

    両手で異なるリズムを弾く場合、それぞれの手のリズムを一致させることが難しいことがあります。特に複雑なリズムの場合、混乱しやすいです。

    読譜力

    両手で弾くためには、同時に二つの譜面を読む必要があります。これには高い読譜力が必要です。

    練習時間の確保

    両手でスムーズに弾くためには、片手ずつの練習やゆっくりしたテンポでの練習を繰り返す必要があります。これには時間と忍耐が必要です。

    これらの理由から、両手でピアノを弾くことは多くの人にとって難しいことです。しかし練習を続けることで次第に慣れてきます。

    ピアノを両手で弾く時の驚くべき脳の動き

    ピアノを両手で弾くとき、脳は複雑で高度な処理を行っています。以下は、そのときの脳の動きについて解説します。

    運動制御

    運動前野 (Premotor Cortex): この領域は動作の計画と準備を行います。片手ずつの動きを計画し、それらを統合する役割を担います。

    運動野 (Motor Cortex): 実際の手の動きを制御します。右手と左手の動きが異なる場合でも、それぞれの動きを正確に指示します。

    感覚フィードバック

    体性感覚野 (Somatosensory Cortex): 指の位置や動きの感覚を受け取り、調整を行います。鍵盤の感触や手の位置を常にモニタリングしています。

    協調と同期

    小脳 (Cerebellum): 両手の動きを協調させ、スムーズに動かす役割を果たします。リズムやタイミングの調整も担当します。

    リズムとタイミング

    基底核 (Basal Ganglia): リズムの維持やタイミングの調整を行います。テンポを一定に保つための重要な役割を果たします。

    記憶と学習

    海馬 (Hippocampus): 楽譜や曲の構造を記憶し、長期的に保存します。新しい曲を学ぶときに重要です。

    前頭前野 (Prefrontal Cortex): 高度な計画や意思決定を行います。練習計画や演奏の戦略を立てる際に使用されます。

    ピアノ演奏は、これらの脳の領域が連携して行われる複雑な作業です。両手を使うことで脳の多くの部分が活性化され、協調性やタイミング、感覚フィードバックなど、多くのスキルが同時に要求されます。これが、ピアノを両手で弾くことの難しさである理由です。

    ピアノが両手で弾けるようになる練習法

    では、両手で弾けるようになる練習法をお話しします。ぜひ実践してみて下さいね。

    片手練習

    まずは片手練習を完璧にすることが大切です。片手練習の際、手元を目で追っていませんか。手元に集中していると、両手になった際に楽譜を見る余裕がなくなるためスムーズに弾くことができなくなります。指使いを覚え、手元を見ずに楽譜を見ながら弾くことを意識しましょう。

    画期的、大譜表の見方

    大譜表とはピアノの楽譜でよくみられる楽譜の形で5線が2段になっている楽譜の事です。この大譜表を右に半回転回転させてみて下さい。すると右手、左手の位置に弾く音が示された楽譜がきます。その音符を上から下に追うように見ていくと、両手の動きがわかりやすくなります。

    リズム打ち

    両手の動きが理解できたら、今度は手でリズム打ちをしましょう。大譜表の見方を理解し、楽譜に両手のタイミングを書き込むなどしても視覚的にわかりやすくなります。視覚的にわかってきたら、実際のリズムを弾く手で打ち合ってみましょう。

    クロクリズム

    両手でリズムを打つと、混ざり合った時のリズムが浮き上がってきます。これをクロスリズムと言います。この実際耳に聞こえてくるリズムのタイミングを覚えるようにしましょう。

    ゆっくり練習

    ゆっくりとしたテンポでメトロノームを使って両手で弾いてみましょう。曲の途中でつまってしまったら、弾ける速度までテンポを落として練習しましょう。ゆっくりすぎてつまらないと感じるかもしれませんが、初めから通常のテンポで練習しても弾けるようにならないため、テンポを落として繰り返し練習することが大切です。

    いかがでしたか。ぜひ、ポイントを参考に練習してみて下さい。

    練習のポイント

    実際の練習にはポイントが大切です、ポイントをご紹介します。

    練習の効率化

    練習はダラダラと行わず、回数を決める、時間を決めるなどして行いましょう。「できるまで」などと決めると、かえってわからなくなってしまったりする場合があり練習の効果が半減してしまうことがあります。

    視覚的なツールを活用する

    自分の演奏を動画で撮影し確認することも良いです。客観的に両手の演奏を聴いてみると、ズレや手の運指がよくわかり、次の練習に役立ちます。

    お手本をよく観察する

    ピアノレッスンに通っている場合、講師の手本演奏をしっかりみてみるのも大切なことです。視覚と聴覚で知ることで理解が深まります。

    歌ってみる

    片手練習の段階で、慣れてきたら弾いていない手の楽譜を歌うことをおすすめします。少し高度な練習方法ですが、できるなら行うと良い練習になります。

    練習を行う上でポイントを抑えることで、さらに効果的な練習になります。有効的な練習を行うようにしましょう。

    ピアノがなかなか両手で弾けない、のまとめ

    ピアノがなかなか両手で弾けない理由や、練習方法をお伝えしてきました。簡単にまとめてみます。

    5-1なかなか両手で弾けない理由

    ピアノを両手で弾くことはとても難しいことです。ピアノを両手で弾く時、脳ではかなり高度な働きをすることもわかっています。

    両手で弾けるようになる練習法

    両手で弾けるようになるためには、継続的な練習は必須です。練習方法で有効的なのは、片手練習、楽譜に両手で弾くタイミングを書き込む、楽譜の見方を工夫する、リズム内をする、などの方法があります。

    練習のポイント

    練習時間を決めたり、回数を決め効率の良い練習をしましょう。また、ゆっくり弾く、片手練習時、弾いていない手の音符部分を歌ってみるなどの工夫で、練習がさらに効果的なものになります。

    ピアノを両手で弾く事は、非常に難しい事です。そのことを踏まえ、諦めずに何度も練習をする必要があります、しかし、継続的な練習で必ず両手で弾けるようになります。自信を持って練習に取り組んで欲しいものです。

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    この記事を監修した専門家

    平田みどりのアバター 平田みどり 絶対音感が身に付くピアノレッスン講師

    ピアノ・リトミック教室HappyMusicのオーナー講師。4歳からピアノを始め、現役奏者の頃は年に100回近くのピアノ演奏、楽器店のミニコンサートへの出演などを行っておりました。
    現在は千葉県柏市・我孫子市にあるHappy musicのオーナー講師として、リトミック、ピアノ講師として活動中。
    幼稚園教諭免許・保育士免許・日本ジャックダルクローズ協会会員・リトミック認定講師資格・ベビーリズムマッサージ資格・ヤマハ指導グレード資格取得。

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