ピアノ教室の発表会事情とは。費用やお作法まで現役ピアノ講師が徹底解析。

ピアノ発表会は、学んできた成果を披露する大切な機会です。そして何より大きな成長につながることは確かです。しかし、その準備や費用がどの程度かかるのか、当日のお作法など気になる方も多いと思います。今回は、ピアノ発表会にかかる具体的な費用や、当日のお作法など現役ピアノ講師が詳しく解説します。また、発表会が充実しているおすすめのピアノ教室もご紹介します。これから発表会に参加予定の方や、これからピアノを習いたい方にとって参考になればと思います。

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ピアノ発表会にかかる費用
ピアノ発表会にかかる費用は、様々な要素によって変わってきます。一般的に、次のような費用が考えられます。
参加費
参加費には、発表会の会場費、スタッフの人件費、プログラム作成費など、発表会運営にかかる費用が主なものです。 個人教室では5,000円~10,000円、大手教室では10,000円~20,000円程度が一般的です。 これは教室の規模、発表会の規模、会場のグレードなどによって大きく変動します。


衣装代
発表会用のドレスやタキシードなど、衣装の購入・レンタル費用がかかります。値段は数千円から数万円まで、幅広くあります。しかし頻度も少ない衣装ですので中古の衣装を購入するという方法でも良いでしょう。フリマアプリやリサイクルショップなどで、比較的安価に衣装を手に入れることができます。
楽譜代
発表会で演奏する曲の楽譜を購入する費用です。発表会で弾く曲は普段の練習曲ではないことも多く、別途楽譜が必要になる場合があります。1曲が収録してある本(楽譜)1冊を買わなくてはならない場合も場合によってはあるかもしれません。講師に相談しましょう。今は、1曲1曲ピースで販売している楽譜も多く出ています。しかしどの同じ曲でも楽譜によって違いがあり、保護者で購入する場合、どの楽譜を使うかは講師に必ず確認してから購入しましょう。
記念写真・DVD代
発表会の記念に、写真やDVDを購入する場合、その費用がかかります。写真やDVDは外部の業者を頼んでいる場合が多く、費用は相場くらいだと思います。プロが撮りますので、仕上がりは良いものです。
ピアノ発表会にステージを踏む時、それに付随する費用がさまざまかかってきます。しかしそれは、やりくりによっては上手く削減できることもあります。
ピアノ発表会のメリット
ピアノ発表会は、お子様の成長を祝う大切なイベントです。参加することで得られるメリットはたくさんありますが、代表的なことをご紹介します。
目標に向かって努力する経験
発表会という明確な目標を設定することで、日々の練習に対する意欲が向上し、計画性を持って取り組む力を養います。


達成感と自信
練習の成果を、人前で演奏することで、大きな達成感と自信を得ることができます。大きなステージの上で、発表することは子供にとって貴重な体験であり、思っている以上に自信がつきます。
プレゼンテーション能力の向上
前で演奏することで、緊張感に打ち勝ち、堂々と表現する力を養うことができます。小さな子供でも、ステージの上では1人で考え振る舞いまいます。この経験は、大きくプレゼン能力が向上します。
音楽に対する理解を深める
発表会に向けて、長い期間1曲を深く理解し練習をしていきます。そのことで、音楽の幅広い知識や理解を深めることができます。また発表会で弾いた曲は思い出の曲となり一生の宝物になることでしょう。
ピアノ発表会は、お子様の成長にとって貴重な経験となります。大きな成長にもつながり、その意味は大きいと考えています。
ピアノ発表会のデメリット
発表会に参加するかどうか迷われている方も多いでしょう。ピアノ発表会のデメリットも詳しくご紹介します。
費用がかかる
普段のレッスン月謝に加えてピアノ発表会参加費、衣装代、レッスン代など、さまざまな費用がかかります。この費用をどう捉えるかは、各ご家庭の考え方と判断になります。
精神的な負担
人前で演奏することに対する緊張やプレッシャーを感じる場合があります。これは人それぞれで、大きな負担がかかるようでしたらやめておくことも必要です。負担からピアノ自体を嫌になってしまわないよう配慮が必要です。


失敗への恐れ
失敗してしまうかもしれないという不安から、楽しめない場合もあります。極度に完璧を求めてしまう性格などですと、これは大きな負担になります。「失敗してもいいんだよ」と普段から声掛けすることも大切です。
他の活動との両立が難しい
発表会の練習に多くの時間を費やすため、他の習い事や学校の勉強との両立が難しくなる場合があります。時間やボリュームの調整を考える必要があります。無理をしないことも子どもの成長には大切なことです。
発表会に参加するかどうかは、お子様の性格や年齢、ご家庭の状況などを総合的に考慮して決めることが大切です。
ピアノ発表会のお作法
ピアノ発表会は、日頃の練習の成果を披露する大切な場です。演奏者だけでなく、観客も気持ちよく過ごせるよう、いくつかの作法を守ることが大切です。
服装
発表会用のドレスやスーツなど、あらかじめ指定された服装で参加しましょう。私の音楽教室の場合、服装はそんなにとやかく言いませんがサンダルでの演奏は遠慮いただいています。また多いのが厚底ブーツを履いてくる女の子が増えてように思います。しかし、厚底ではペダル操作がしにくいですし、慣れていないお子さんには転倒の恐れもあります。演奏者の足元は思いの外、目立ちます。履き物は注意しましょう。観覧者の服装ですが、これも私の場合とやかくは言いません。自由で良いと思うのです。しかし、過去にジーパンとTシャツでお越しになった保護者がおりました。周りがほとんどスーツ、もしくは綺麗めな服装だったせいか「先生、服装は自由と言ったじゃないか!」とお怒りでしが、Tシャツ、ジーパンが悪いわけではありません、周りがほとんどスーツ、綺麗めな格好が合うと思ったのでしょう。その周りに馴染めなかったことに不安を感じたのだと思います。何が言いたいかというと、「スーツ、綺麗めな格好」が無難です、ということです。
時間厳守
呼び出し時間に遅れないようにしましょう。 これは、どんな会でも常識ですね。発表会は会場を時間で借りて運営しています。また多くの参加者もいます。時間を守らないと、多くのことに支障が出てきます。
舞台、会場での振る舞い
演奏者は落ち着いて舞台へ入り、ピアノの前に立つ際は、観客に一礼しましょう。正しい姿勢で演奏し、曲が終わったら再び観客に一礼し、演奏後、慌てずにゆっくりと舞台から退場します。会場にいる観覧車は、演奏が終わったら、温かい拍手で演奏者を励ましましょう。曲の途中での拍手は控えましょう。携帯電話はマナーモードに設定し、着信音が鳴らないようにします。演奏中は会話を控え、周りの方に迷惑をかけないようにしましょう。また演奏中の移動、ドアの開閉は禁止です。大変心苦しいのですが、小さなお子様の鳴き声、話し声もN Gです。写真撮影は許可されている場合は、他の観客の方の迷惑にならないように配慮して撮影しましょう。


前向きな考え方と、感謝の気持ち
演奏者が、間違えてしまったり緊張から演奏が止まってしまっても暖かく見守りましょう。声は出さなくても心の中で大きなエールを送ってあげましょう。そして頑張った子供達を大いに褒めてあげましょう。保護者から指導者に指導に感謝を伝えることも大切です。「月謝を払っているのだから当たり前」という考えではなく、我が子の成長を見守ってくれたことに感謝することで、今後も良好な関係でレッスンをしていけると思います。
ピアノ発表会は、演奏者にとっても、観客にとっても、素晴らしい思い出になるはずです。これらのマナーを守り、楽しいひとときを過ごしましょう。
まとめ
ピアノ発表会についてお話ししてきました。簡単にまとめてみます。
ピアノ発表会にかかる費用
ピアノ発表会にかかる費用は、参加費、衣装代、楽譜代、レッスン代、交通費、記念写真代など、様々なものが考えられます。合計すると数万円くらいかかることもあります。しかし、中古の衣装を購入したりすることで衣装費用を抑えることはできます。ピアノ発表会にかかる費用は、教室の規模や発表会の規模によって大きく異なります。


ピアノ発表会のメリット、デメリット
ピアノ発表会は、目標に向かって努力する経験や達成感を得られる素晴らしい行事です。一方で、費用がかかったり、緊張感に打ち勝つ必要があるなど、様々な側面があります。子どもの意向を聞いたり、各家庭の方針を加味することも大切です。
ピアノ発表会のお作法とは
ピアノ発表会は、演奏者も観覧客も、お互いを尊重し、気持ちの良い時間を過ごすために、服装や時間厳守、演奏中の携帯電話の使用禁止など、いくつかのマナーを守ることが大切です。また、子どもへの励まし、指導者への感謝の気持ちを持つことも、良いは発表会にするために必要なことです。
ピアノ発表会は、子供にとって大きなイベントであり大きく成長できるチャンスでもあります。親御さんや指導者はできる限り子供を応援してあげたものですね。